元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回はエンジニアも持つべき書く技術についてです。
エンジニアにも必要な書く技術
エンジニアは、設計図を書いたり、試作品のテストをしたりするなど、いわゆるエンジニアという言葉から想像される業務以外にも様々な業務があります。その中には、仕様書の作成、製品テストのレポート作成、お客様からの技術的な質問への回答といった、文章を書かなければならないものも多くあります。しかし、こういった業務を苦手とするエンジニアは多くいます。
もともと、国語の授業が嫌い。「この部分で筆者はどのように感じたでしょうか?」って、なんだその問題、そんなもの知るか!とか。数字は嘘をつかない、ちゃんと手をかけてやれば、機械は人を選ばず間違いない返事を返してくれるものだとか言い出す。子供の頃は、算数や理科が大好き。機械を見たら分解したくなる。家にある調味料を全て混ぜ合わせて電子レンジに入れて大変なことになった。隙あらば、近くにあるものを組み合わせて工作していた。エンジニアには、そんな感じの人が多いはずです。私もそうでした。
ところが、リモートワークが推奨され、働き方改革が進む昨今。エンジニアにも文章によるコミュニケーション能力が求められる機会が増えてきました。また、中小製造業では、1社依存や下請け体質脱却のため、新規顧客開拓を模索している企業は多くあります。新規顧客開拓には、以前「製造業における文書化によるアピールの大切さ」という記事でも書いた通り、ネットを使った宣伝は欠かせず、技術や製品の文書化が必要です。技術や製品の文書化は、それを知る者でなければ難しいので、エンジニアにも書く技術が求められることになります。
エンジニアが持つべき重要なスキルの1つとして、書く技術の需要が高まることが今後予想されます。
技術系ライティング講座もあります
エンジニアの書く文章については「わかる人にしかわからないような文章を書く」とよく言われます。確かに、広く一般の人に伝えるような文章を書く場合には、誰にでも理解してもらえるような文章を書く必要があります。しかし、技術系ライティングでは、「わかる人に一番届く文章」「わかる人に最も納得してもらえる文章」を書く必要があります。
製品を探しているエンジニア向けならば、その必要性はより高くなります。専門性の高い文章にしなければなりません。これが就職希望の学生向けならば同じ製品の説明でも書く内容は変わります。この件については、以前「技術系ライターが行う書き分け」という記事でも触れました。読んでもらいたい人に合わせて文章を書き分けることが必要です。
製造業向けのライティングを専門に受ける窓口「技術系ライティングサービス」の事業では、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、製造業における様々なコンテンツのライティングを行います。また、「書く技術」を身に着けるための、エンジニアや製造業の広報に向けたライティング講座の開催も予定しています。開催については順次発表します。是非ご利用ください。