技術ライティングコラム

導入事例記事のおすすめ制作会社7選|業界別で整理!

【執筆者紹介】卜部克哉
この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
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BtoBマーケティングにおいて、見込み顧客の購買意思決定を後押しする最も効果的なコンテンツの一つが「導入事例記事」です。自社の製品やサービスを実際に導入した顧客の生の声を通じて、具体的な成功体験を伝える導入事例記事は、単なる参考資料を超えた強力な情報になります。

しかし、効果的な導入事例記事を制作するには、専門的な取材スキル、業界知識、ライティング技術、そして戦略的な視点が必要です。多くの企業が外部の制作会社に依頼する理由もここにあります。

本記事では、導入事例記事がBtoBマーケティングで果たす役割から、制作会社選定のポイント、おすすめの制作会社まで、導入事例記事制作に関する包括的な情報をお届けします。

BtoBマーケティングにおける導入事例記事の役割と重要性

導入事例記事とは

導入事例記事とは、自社の製品やサービスを導入した実際の顧客にインタビューし、選定理由や導入効果、活用方法などを顧客の生の声でまとめたコンテンツです。第三者の視点から自社製品の価値を証明する、信頼性の高い情報として機能します。

見込み顧客の意思決定に与える影響

BtoBの購買プロセスにおいて、見込み顧客は常にリスクを意識しています。「本当にこの製品で課題解決できるのか」「導入後に期待した効果が得られるのか」といった不安を抱えながら検討を進めるのが一般的です。

導入事例記事は、このような不安を払拭する強力な材料となります。実際に製品を導入した顧客が「以前抱えていた課題をこう解決できた」「他社製品と比較して優れていた点が決め手」と語る内容は、企業自身が製品メリットを謳うよりもはるかに説得力があります。

実際の調査データによると、62.7%の人が「自分と同じ業種・業界の事例」を、54.7%が「自社と同じ課題を解決した事例」を読みたいと回答しています。これは、読者が自社の業種・課題・規模に近い企業の導入事例ほど共感しやすく、有用だと感じる傾向があることを示しています。(参考:なぜ、「導入事例」はBtoBマーケティングで重要なのか? | 成果につなげる! コンテンツマーケティング最前線 | Web担当者Forum

導入事例記事の具体的なメリット

安心感の提供

実在の顧客の成功事例を示すことで、「自社でも同じように成功できるかもしれない」という具体的なイメージを喚起できます。これにより、見込み顧客の心理的ハードルを大幅に下げることが可能です。

購買プロセスの短縮

導入事例記事には、製品選定から導入・効果まで必要な情報が網羅されているため、見込み顧客の情報収集時間を短縮し、より迅速な意思決定を促進します。

マーケティング資産としての価値

一度制作した導入事例記事は、自社サイトのコンテンツ、営業資料、SEOコンテンツとして多面的に活用できる資産価値の高いコンテンツです。

SEO効果

見込み顧客の中には「○○(自社の課題) 事例」「○○ 成功事例」といったキーワードで情報収集を行う人も多く、導入事例記事はそうした検索ニーズにマッチします。顧客視点のキーワードが自然と含まれるため、Google検索からのオーガニック流入が期待できます。

制作会社選定で重視すべき6つのポイント

自社で導入事例記事を内製するには、インタビューや記事構成など多大な労力がかかるため、専門の制作会社に外注する企業が増えています。しかし、制作会社によって得意分野やサービス内容は大きく異なります。効果的な導入事例コンテンツを制作・活用してもらうために、以下の6つのポイントを重視して選定しましょう。

1. 業界特化と豊富な制作実績

自社の業界や製品分野に対する知見・実績が豊富な会社を選ぶことが最も重要です。特に、自社と同じ業界・業種の導入事例制作経験がある会社なら、業界特有の課題やニーズを的確に理解したコンテンツ作りが期待できます。

実績が乏しい会社の場合、読者の関心を惹くツボを外し、訴求力が弱まる懸念があります。まずは候補会社の制作実績(ポートフォリオ)を確認し、自社業界の事例があるかをチェックしましょう。

2. 取材力(ヒアリング力)とストーリー構成力

顧客へのインタビューから本音や有益なエピソードを引き出し、読み手に伝わるストーリーに落とし込む能力は必須です。せっかく顧客の声を集めても、質問の質や構成が悪ければ効果的な事例になりません。

取材の経験値が高く、顧客の課題から解決までを魅力的なストーリーにまとめるノウハウを持つ会社かどうかを見極めましょう。インタビュー記事の実績や、公開されている事例記事の内容・構成を確認すると判断材料になります。

3. ライティング品質とコンテンツ設計力

専門性の高いBtoB商材の場合、正確かつ読みやすい文章にまとめるライティング力が重要です。加えて、読者を惹きつけ最後まで読ませるコンテンツ設計力(構成・デザイン)も欠かせません。

文章の質やデザインのクオリティは、公開済み事例を見ることである程度評価できます。専門用語の扱いや要点の強調など、分かりやすく魅力的な記事に仕上げるスキルを持つ会社かを確認しましょう。

4. SEO対応力

制作した導入事例を自社サイト上で公開し集客に繋げたい場合、SEOの観点も考慮できる会社だと安心です。例えば、記事内に適切なキーワードを盛り込みつつ不自然にならない文章にする、構造化データやメタ情報にも配慮するといった対応力です。

事例制作と合わせてコンテンツSEO支援を提供していたり、実績として特定キーワードで上位表示された事例コンテンツがあったりする会社は心強いでしょう。

5. 明確な料金体系と提案力

費用面の透明性も重要な選定基準です。見積もりの内訳が明確で、追加料金の条件がはっきりしている会社なら、契約後のトラブルを避けやすくなります。

加えて、自社の課題に合わせた柔軟な提案力も評価ポイントです。単に言われた通り制作するだけでなく、「導入事例をより効果的に活用するためには○○を入れましょう」など積極的にアイデアを出してくれる会社は信頼できます。ヒアリング時の対応や提案資料の内容から、企画力・コンサルティング力も見極めましょう。

6. アフターフォローの充実

導入事例記事は公開して終わりではありません。公開後にどの程度読まれ問い合わせに繋がっているか、継続的な改善提案や効果測定の支援をしてくれる会社だと、コンテンツを「作りっぱなし」にせず最大活用できます。

例えば、公開後のアクセス解析や、さらなるマーケティング施策の提案まで行う会社もあります。納品後のサポート体制についても事前に確認し、可能なら契約範囲に含めておくと良いでしょう。

業界・ニーズ別おすすめ制作会社7選

以下に、BtoBマーケティングで導入事例記事の取材・制作を代行している日本国内企業を業界ごとにまとめました。

製造業(製造・技術系)

テクノポート株式会社

公式サイトURL: https://techport.co.jp/
テクノポートの導入事例制作サービス:https://writing.techport.co.jp/service/example/

製造業など技術系企業を中心とした導入事例インタビュー代行サービスを提供しています。製造業のクライアント企業に対し、導入事例の企画立案から取材・記事制作まで一貫支援する体制が特徴です。技術系分野に精通したライターやエンジニア出身者が多数在籍し、専門用語や製造プロセスへの深い理解に基づくコンテンツ制作が可能です。記事コンテンツ(Web掲載用記事やPDF事例集)のほか、技術解説動画の制作や技術文書の英訳など、製造業のニーズに合わせた様々なメディア形式にも対応しています。

IT業界

株式会社SEデザイン

IT分野専門の導入事例制作サービスを提供する老舗企業。創業当初から35年以上にわたり外資系IT企業のマーケティング支援実績があり、累計2,500本以上のIT領域の導入事例記事を制作した実績を持ちます。出版業で培った高度な編集力を強みに、クラウドやセキュリティ、AIなど専門技術の価値をわかりやすく伝える記事制作に定評があります。またWeb記事だけでなくホワイトペーパーや電子書籍制作にも対応しています。(参考

サイトエンジン株式会社

IT業界に特化した導入事例インタビュー記事作成サービスを展開するデジタルマーケティング企業です。幅広い業界でのコンテンツ制作実績がありますが、特にIT分野では専門知識を持つライターが取材を担当し、製品・サービスの技術的特徴も的確に伝える洗練された記事を執筆してくれます。記事の原稿作成だけでなく、取材時の写真撮影やWebサイト掲載時のレイアウト調整までトータルにサポート可能です。(参考

ノーバジェット株式会社

BtoB IT企業向けコンテンツ制作に強みを持つマーケティング支援会社。クライアントの9割以上がBtoBのIT企業で、年間200件超の導入事例記事を手掛けてきた実績があります。導入事例記事以外にも、専門知識が求められるホワイトペーパーや製品カタログ、Webサイト用コンテンツ、動画コンテンツ制作まで幅広く対応可能です。100名以上の厳選ライターと経験豊富な編集者がチームを組み、高品質な記事コンテンツを迅速かつ柔軟に提供できる体制を整えています。(参考

医療業界

株式会社ネオマーケティング

医療・ヘルスケア分野に強みを持つ導入事例記事制作代行サービスを展開しています。マーケティングリサーチ会社ならではのリサーチ力とコンテンツ制作力で、医療業界特有の専門性が高い記事にも対応可能です。経験豊富なライターが医師への取材から監修記事の制作まで担当し、学会やセミナーにも取材ライターを派遣して記事化できる柔軟さがあります。薬機法や景表法など医療広告規制のチェック体制にも精通しており、法令順守の観点からも安心して記事制作を任せられます。媒体はWeb記事が中心ですが、医療事例集のPDF化などにも対応します。(参考

店舗系

株式会社センターグローブ(ミキタス)

低コストで導入事例の取材代行を行うサービス「ミキタス」を提供しています。取材費用は25,000円~と業界最安水準で、全国各地に在籍するインタビュアー・カメラマンによる現地取材対応力が特徴です。実店舗や建設現場での撮影を伴う取材にも対応可能で、大規模企業ではマツモトキヨシグループなどの取材実績があります。社内にノウハウがある場合は取材のみ依頼するなど部分的なアウトソーシングも柔軟にできます。短期間・低予算で多数の施工事例をまとめたい建設業の企業に適したサービスです。(参考

その他

株式会社スタジオ・ウーフー

専門分野ごとのプロ人材ネットワークを活用したコンテンツ制作会社です。登録クリエイター数は約2万人にも及び、ライター、編集者、カメラマン、動画クリエイターなどから最適な人材を選定してプロジェクトを遂行します。不動産・金融・医療・法律・IT・人材など多岐にわたるジャンルの有資格者や専門家ライターが在籍しており、高度な専門知識が求められる教育分野の事例記事にも対応可能です。取材記事・インタビュー記事の制作実績は大手企業案件を含め多数あり、文章の品質管理体制(社内ガイドラインや校正ツール活用)も徹底しています。Web記事からPDF事例集、動画コンテンツまで多様なメディア形式で納品可能です。(参考

製造業特化の導入事例記事制作会社|テクノポート株式会社

製造業で導入事例記事制作を検討されている企業向けに、製造業特化のテクノポート株式会社をより詳しく解説します。

公式サイトURL: https://techport.co.jp/
テクノポートの導入事例制作サービス:https://writing.techport.co.jp/service/example/

企業概要と製造業特化の強み

テクノポート株式会社は2010年設立、本社を東京に構える「技術をマーケティングする」をモットーとするWebマーケティング支援企業です。製造業を中心とした技術系企業の国内外向けWebマーケティングを総合支援しており、Webサイト制作、SEO対策、コンテンツ制作、アクセス解析など多岐にわたるサービスを提供しています。製造業特化の強みは以下です。

深い業界知見と豊富な実績

1,200社を超える製造業企業への支援実績があり、中小企業から上場メーカーまで幅広いクライアントを持ちます。製品や加工プロセスに関する専門知識、業界の商習慣や課題感を理解したスタッフが揃っています。

技術ライティングの定評

技術系の難しい内容でも噛み砕いて伝える技術ライティングに定評があり、他社で成果が出なかった企業が「製造業への知見が深い会社」としてテクノポートに依頼するケースも多くあります。

戦略的アプローチ

導入事例記事を単発のコンテンツとしてではなく、マーケティング戦略の一環と捉えて制作・活用します。事例記事の位置づけを最初に明確化し、目的に沿った構成・媒体で制作してくれます。

制作フロー

テクノポートの導入事例制作は以下の7つのステップで進行します。

1. 問い合わせ・相談
問い合わせフォームや電話で連絡し、案件の概要や要望を伝えます。

2. ヒアリング&課題整理
担当者が訪問またはオンライン打ち合わせを実施。自社商材やターゲット、活用目的などをヒアリングし、抱えている課題や狙いたい効果を整理します。

3. 導入事例の企画提案
ヒアリング内容を踏まえ、どの顧客のどんな事例をどういう切り口で紹介するか企画案を提案。記事のアウトライン(見出し構成)や掲載媒体も提示されます。

4. 取材(インタビュー)実施
専門知識の下調べを入念に行い、顧客から生の声を引き出します。必要に応じて写真撮影も同時に行います。

5. コンテンツ作成・確認
取材内容をもとにライターが記事本文を執筆し、デザイン担当がレイアウトを作成。完成した原稿は発注企業および取材先の顧客にも内容確認いただき、フィードバックを反映して仕上げます。

6. Webサイト掲載・納品
最終稿の了承後、Webサイトへの掲載作業まで実施可能。PDF形式での納品も行い、営業資料などとして社内展開できるようにします。

7. 効果確認と運用コンサル
公開後一定期間が経過したら、アクセス数や問い合わせ件数など効果を測定。その結果をレポートし、さらなる活用方法について助言します。

実績と評判

製品メーカーやツールベンダー様の請負実績

製品メーカーやツールベンダー様とのプロジェクトでは、展示会頼みだった営業からWebマーケティングへの転換支援の一環として導入事例記事を公開。多くの製品メーカーやツールベンダー様が導入事例コンテンツに本腰を入れる際にパートナーに選ばれていることは、テクノポートの信頼性を示しています。

中小製造業のWeb成功事例多数

地方の部品メーカーや老舗工場など、これまでWebを活用してこなかった企業の初の導入事例作成を支援し、問い合わせ増加に繋げた例が多数あります。

高い顧客満足度

「専門用語だらけのヒアリング内容を分かりやすく記事にしてくれた」「営業ツールとしてすぐ使える資料を作ってもらえた」といった評価を受けており、リピートで継続契約するクライアントも多いです。

導入事例記事制作に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 導入事例記事制作にはどのくらいの期間がかかりますか?

導入事例記事制作には、一般的に1本あたり1~2ヶ月程度の期間が必要です。制作プロセスは複数の段階に分かれており、まず企画・ヒアリング段階で約1週間を要します。この段階では、制作会社が顧客企業の課題や目的を詳しく聞き取り、どのような事例を制作するかの方向性を決定します。

次に取材先との調整・アポイント取得に1~2週間程度かかります。これは導入事例記事制作において最も時間がかかる工程の一つで、取材協力企業の都合に合わせてスケジュール調整を行う必要があります。実際の取材実施は1日で完了しますが、その後の記事執筆・デザイン作業に2~3週間、最終的な確認・修正作業に1週間程度を見込んでおく必要があります。

ただし、取材先企業のスケジュール都合や、複数回の修正が必要になった場合は、さらに期間が延びる可能性があります。一方で、複数の事例を同時進行で制作する場合は、効率化により1本あたりの期間を短縮できることもあります。余裕を持ったスケジュール設定をすることで、品質の高い導入事例記事を制作することができます。

Q2. 取材協力を依頼する納品先企業にはどのような準備をお願いすればよいですか?

取材協力企業には、効果的な導入事例記事制作のために事前準備をお願いする必要があります。まず事前準備として、導入前の課題や背景を具体的に整理してもらいます。これには、なぜその製品・サービスの導入を検討することになったのか、どのような問題を抱えていたのかを明確にしてもらうことが含まれます。

また、導入検討時の比較検討内容についても準備していただきます。他社製品との比較ポイントや、最終的な決定要因を整理してもらうことで、読者にとって参考になる情報を収集できます。さらに重要なのが、導入後の具体的な効果・成果です。可能であれば数値データを用意してもらい、定量的な効果を示せるようにします。

取材当日の準備としては、適切な取材対応者をアサインしてもらいます。導入担当者だけでなく、実際の利用者にも参加してもらうことで、より現場に近い生の声を収集できます。必要に応じて導入システムのデモ環境を用意してもらったり、写真撮影用の環境整備も依頼します。

多くの企業は取材慣れしていないため、事前に質問項目を共有し、回答を準備してもらうことで、当日のインタビューをスムーズに進行できます。これらの準備により、読者にとって価値の高い導入事例記事を制作することが可能になります。

Q3. 導入事例記事の効果測定はどのように行えばよいですか?

導入事例記事の効果測定は、複数の指標を組み合わせて総合的に評価することが重要です。まずWeb指標として、ページビュー数やユニークユーザー数を定期的に測定します。これらの数値により、どの程度の人に記事が読まれているかを把握できます。また、滞在時間や直帰率を確認することで、読者が記事に興味を持って最後まで読んでいるかを判断できます。

SEO効果を測定するために、検索流入キーワードとその順位も重要な指標です。狙ったキーワードで上位表示されているか、どのようなキーワードで流入があるかを分析することで、記事の検索エンジン最適化効果を評価できます。SNSでのシェア数も、記事の拡散力や話題性を測る指標として有効です。

ビジネス指標では、問い合わせ数の増加や資料ダウンロード数の変化を追跡します。導入事例記事が直接的にリード獲得に貢献しているかを確認することで、マーケティングROIを測定できます。商談化率や受注率への影響も重要で、営業プロセスでの活用効果を数値で把握します。

定性指標として、営業担当者からのフィードバックや見込み顧客からの反応も収集します。実際の営業現場で記事がどのように活用され、どのような効果を生んでいるかを定期的にヒアリングすることで、数値では表れない効果も把握できます。Google Analyticsやヒートマップツールを活用し、月次で効果を測定することで、継続的な改善につなげることができます。

Q4. 納品先企業で取材協力してくれる会社が見つからない場合はどうすればよいですか?

取材協力企業が見つからない場合は、複数のアプローチを組み合わせて解決することが効果的です。まず社内でのアプローチとして、カスタマーサクセス部門と連携し、満足度の高い顧客をリストアップします。顧客満足度の高い企業から優先的にアプローチすることで、協力を得られる可能性が高まります。

営業担当者からの個別相談も有効な手段です。日頃から信頼関係を築いている顧客であれば、営業担当者を通じて協力依頼をすることで、承諾を得やすくなります。また、既存のアンケート回答者の中から協力的な企業を選定することも一つの方法です。

取材協力のハードルを下げるために、インセンティブの提供も検討しましょう。制作した記事やデザイン素材の二次利用権を提供することで、協力企業にとってもメリットのある提案ができます。自社サービスの無料コンサルティングやサポートの提供、業界イベントでの事例発表機会の提供なども、協力を促すインセンティブとして効果的です。

段階的なアプローチを取ることも重要です。いきなり本格的な取材を依頼するのではなく、まずは簡易なアンケート形式から始めて関係を構築します。その後、電話インタビューで負担を軽減したり、実名ではなく匿名での事例制作から開始することで、徐々に協力を得やすい環境を作ります。重要なのは、顧客にとってのメリットを明確に伝え、負担を最小限に抑えることです。協力企業の立場に立って、win-winの関係を構築することが成功の鍵となります。

Q5. 導入事例記事制作の費用相場はどのくらいですか?

導入事例記事制作の費用は、制作会社の規模や専門性、制作内容により大きく異なります。最も安価な選択肢はフリーランスやクラウドソーシングの活用で、取材なしのテキストのみの場合は1~3万円程度から依頼可能です。取材・撮影込みでも5~10万円程度と、初めて導入事例記事を制作する企業にとって手軽な価格帯となっています。

専門制作会社に依頼する場合は、中小規模の制作会社で10~30万円、大手や業界特化型の制作会社では20~50万円が一般的な相場です。さらに大手広告代理店系の制作会社では50~100万円となることもあり、サービス内容や品質に応じて価格が設定されています。

動画での導入事例制作を希望する場合は、より高額になります。既存素材を活用した簡易版でも20~50万円、本格的な撮影・編集込みの場合は100~300万円程度が相場となります。動画制作は技術的な要素が多く、撮影機材や編集ソフト、専門スタッフが必要なため、テキスト記事よりも高額になる傾向があります。

一般的に費用に含まれる項目は、企画・ヒアリング、取材・撮影、記事執筆・デザイン、修正対応(通常2~3回)などです。ただし、追加の修正や特別な要求がある場合は別途費用が発生する可能性があるため、契約前に何が含まれ、何が追加費用になるかを明確に確認しておくことが重要です。複数の制作会社から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較検討することで、自社に最適な制作パートナーを選択できます。

Q6. 導入事例記事を営業資料として効果的に活用する方法は?

導入事例記事を営業資料として効果的に活用するには、顧客の購買プロセスに合わせた戦略的な活用が必要です。提案段階では、見込み顧客と同業界・同規模の事例を選んで提示することで、「自社でも同じような成果が期待できる」という具体的なイメージを持ってもらえます。課題が類似している事例を競合比較資料として活用することで、自社製品の優位性を客観的に示すことも可能です。

商談プロセスでは、初回訪問時の信頼醸成材料として導入事例記事を活用します。第三者の成功体験を示すことで、営業担当者の説明に説得力を持たせることができます。また、顧客が社内で稟議書を作成する際の参考資料として提供したり、社内説明用の説得材料として活用してもらうことで、営業プロセスの進行を支援できます。

フォーマット別の活用方法も重要です。Web記事形式であれば、メール添付やURL共有で手軽に送付でき、タイムリーな情報提供が可能です。PDF版は提案書への組み込みや印刷配布に適しており、フォーマルな商談で活用できます。動画版はプレゼンテーション時の説得力向上に効果的で、視覚的なインパクトで顧客の印象に残りやすくなります。

効果を高めるためには、顧客の業界・規模に合わせた事例を複数パターン用意しておくことが重要です。営業担当者向けの活用ガイドを作成し、どの場面でどの事例を使うべきかを明確にすることで、一貫性のある営業活動が可能になります。また、定期的に事例の鮮度をチェックし、古いものは更新することで、常に最新の成功事例を提供できます。営業現場の声を聞きながら、より使いやすい形に改善していくことで、導入事例記事の営業効果を最大化できます。

まとめ

導入事例記事は、BtoBマーケティングにおいて見込み顧客の信頼獲得と意思決定促進に欠かせない重要なコンテンツです。しかし、効果的な事例記事を制作するには、専門的なスキルと経験が必要であり、多くの企業が外部の制作会社に依頼しています。

制作会社を選定する際は、業界特化の実績、取材力、ライティング品質、SEO対応力、料金体系の明確性、アフターフォローの充実度という6つのポイントを総合的に評価することが重要です。

また、業界や予算に応じて最適な制作パートナーは異なります。低予算で始めたい場合はクラウドソーシング、製造業なら業界特化型、IT業界なら専門制作会社、動画コンテンツなら映像制作会社といったように、自社のニーズに合わせて選択しましょう。

導入事例記事は単なるコンテンツではなく、見込み顧客との信頼関係を築き、ビジネス成果に直結する戦略的マーケティングツールです。適切な制作パートナーとともに、自社の成長を加速させる導入事例記事を制作してください。

この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
卜部克哉 が執筆した他の記事をみる