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技術を伝えるときに気をつけるべき3つのポイント

【執筆者紹介】永井 満
この記事の執筆者
永井 満
テクノポート株式会社 東海地方責任者

大手メーカーで設計開発を経験しているWebマーケター。クライアントの技術を理解した上でWebサイト戦略を立てることを得意としてます。

【経歴】
日本大学大学院航空宇宙工学専攻
ボッシュ株式会社でディーゼルエンジンのポンプ設計を担当

【寄稿実績】
伝え方が悪いと逆効果! Webで自社技術に興味を持ってもらうための戦術

技術者なしのマーケティングはあり得ない! 巻き込みに必要な考え方
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こんにちは、テクノポートの永井です。ものづくり企業の中には、優れた技術を持っていながも、伝え方にお悩みの方もいるのではないでしょうか。技術は課題を解決するためにあり、探している側は自社の課題をその技術で解決できるかどうかを知りたいと考えているでしょう。

そのために、伝える側は自社の技術でどのような課題が解決できるのか、なぜ解決できるのか、ということをわかりやすく説明しなければなりません。最近では、技術は複雑化し、説明することが容易ではなくなってきました。今回は技術を伝えるときに気をつけるべきポイントを3つに絞ってお伝えします。

技術が伝わりにくい理由

技術を知るには予備知識が必要

そもそも技術を理解するためには予備知識が必要です。例えば、「PTFEめっきできます。」とだけ伝えても、相手がPTFEめっきのことについて知らなければ、全く伝わりません。

下記のように、予備知識があって初めて理解できます。

  • PTFEはいわゆるテフロンで、摩擦係数を低く出来る
  • めっきを施すのが難しいため、どのレベルで出来るかは注意が必要
  • PFOAなど有害物質が含まれている可能性もあるため、確認が必要

技術を説明するときには、同分野の技術者、異分野の技術者など伝える相手の予備知識を予想して、説明方法を変えなければなりません。

技術が多く、予備知識が浅くなっている

技術は何かしらの課題を解決するために使われますが、その課題を解決できる技術は1種類ではありません。さらに、複数社が同一技術を持っています。

技術の選択肢が多い中で、技術を探している側はすべての技術を知ることは難しくなり、1つの技術についての予備知識が浅くなっています。そのため、伝える側もこれまで以上の工夫が求められるようになりました。

興味を引けていない

技術は課題を解決するために用い、技術者は課題を解決できる技術を探しています。つまり、技術を探している人は目的が決まっている場合がほとんどです。

課題を解決できる技術であれば、難しい説明も聞いてくれるかもしれません。しかし、課題が解決できるかどうか判断ができないときは意欲的には聞いてくれないでしょう。技術を説明するときには技術の詳細説明だけではなく「何ができるのか?」についても伝える必要があります。

技術を伝えるときに気をつけるべき3つのポイント

1.ターゲットを決める

まず決めることは技術を伝える相手(ターゲット)です。ターゲットを決める目的は下記のとおりです。

  • 相手の予備知識を想定でき、説明の基準を合わせやすくなる
  • 相手の課題がわかるため、説明のポイントを絞れる

例えば、ターゲットを新製品の開発担当者、既存製品の改善担当者、量産不具の改善担当者などにした場合は下図のような想定できます。

2.ターゲットが何を求めているのか想像する

次にターゲットがどのような課題を抱えているのかを想像します。ターゲットは課題を解決できる技術を求めているため、課題がわかれば、ターゲットが何を求めているのか想像しやすくなります。

例えば、焼付きや耐久性などの既存製品の不具合で困っているのか、製品の評価方法に困っているのか、もしくは新製品に向けた新技術を探しているか、生産コストを下げられるような技術を求めているのかなどです。

ターゲットが決まり、ターゲットが抱えている課題を想定できれば、後は伝えるための工夫を行います。

3.ターゲットが求める内容に合わせて自社技術の見せ方を工夫する

最後に、技術の見せ方を工夫します。ターゲットと抱えている課題によって、説明の出発点は異なると思いますが、まずは画像や動画を使って、技術を使って何が出来るのかを伝えるところか始めるのがよいでしょう。

相手の興味を掴み、その後に詳細説明に入ることで、多少難しい説明にもついてきてくれます。

また、技術を説明するときは「疑問がでないようにする」ことも大切です。わかりにくい言葉や矛盾があると、それ以降の説明が頭に入ってきません。相手の予備知識を想定して、それよりも少し低めを想定して説明すると伝わりやすくなります。

ターゲットがばらつく場合は、理系の大学生に説明するように資料を作るとよいでしょう。図や動画を使うことも効果的ですので、ぜひ試してみてください。

株式会社イワタツール様の例

自社工具の耐久性を動画で紹介

高木特殊工業株式会社様の例

自社のPTFEメッキの摩擦係数をニッケルめっきと比較して掲載

引用:高木特殊工業株式会社

まとめ

技術を伝えるときは、下記の手順を追えば相手に伝わりやすくなります。

  1. ターゲットを決める
  2. ターゲットが何を求めているのか想像する
  3. それに合わせて自社技術の見せ方を工夫する

見せ方の工夫は図、表、グラフ、動画などさまざまな手段がありますが、説明のしやすい方法を選択しましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っていますので、技術の伝え方にお困りあでしたらぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

この記事の執筆者
永井 満
テクノポート株式会社 東海地方責任者

大手メーカーで設計開発を経験しているWebマーケター。クライアントの技術を理解した上でWebサイト戦略を立てることを得意としてます。

【経歴】
日本大学大学院航空宇宙工学専攻
ボッシュ株式会社でディーゼルエンジンのポンプ設計を担当

【寄稿実績】
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