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SEO記事のリライト方法(記事の選び方、行うべき準備、注意点、事例を紹介)

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法(ビジネス+IT)
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テクノポートの徳山です。今回は、効率良くリライトして検索順位を上げるための、リライトするSEO記事の選び方からリライトの準備や注意点、モノカクでリライトして検索順位が上がった事例について紹介します。

SEO記事のリライトとは

リライトとは、SEOを改善するために一度公開した記事を編集することです。SEOを改善することで検索順位の向上が期待できます。検索順位はGoogleのアルゴリズムにしたがって決められますが、日々アップデートしているためリライトも継続的に見直す必要があります。

記事をリライトするとは

リライトとは英語の「rewrite」すなわち「書きなおす」ことを意味します。ただし、Web記事で扱う「リライト」とは単に読みやすくするだけではなく、記事を読む人の悩みを解決するようなユーザーファーストなコンテンツに更新することを意味します。

記事をリライトするメリット

ユーザーの検索意図は社会情勢や経済状況など、さまざまな要因を元に変化し続けているため、Googleのアルゴリズムも常に変化しています。リライトではこのような変化に合わせて記事のコンテンツを改修することで検索順位を上がるのがメリットです。また、頻繁に更新しているWebページにはGoogleがクロール頻度を上げるため、記事の改修に早く気づいてもらえます。

リライトするSEO記事の選び方

記事によってはリライトせずに様子を見たほうがいい場合や、新しいページから作り直したほうがいい場合があります。では、どのような記事をリライトの対象にしたらいいのでしょうか?

各記事の検索順位と表示回数をチェック

リライトを考えている記事について、Googleが提供する「Google Search Console」というツールで、「検索パフォーマンス」から以下をチェックします。

  • 検索ヒットしているキーワード
  • そのキーワードの検索順位
  • そのキーワードの表示回数

リライトする記事の選定基準

リライトする記事は以下の基準で優先順位をつけます。

  • 上位表示させたいキーワードかどうか
    コンテンツの内容は充実しているものの、上位表示されていない場合や、上位表示されてもCTRが低い場合があります。上位表示しているサイトにあるキーワードが織り込まれているかどうかを確認し、タイトルや見出しに上位表示させたいキーワードを入れることでリライトの効果が見込めます。
  • 表示回数が多い
    検索順位が同じ、または順位が近い記事は表示回数が多いほうを優先します。表示回数は当リンクが掲載された検索結果が表示された時点でカウントされます。表示回数が多いとそれだけ検索される母数が多いため、リライトによる流入数を多く見込めます。
  • 公開(更新)が古い記事
    記事の情報は時間とともに古くなるので、都度正しい情報にリライトします。最新の情報と内容が異なるとユーザーは信頼性のないWebサイトだと思ってしまう可能性があります。更新したら「20**年最新版」のようにタイトルや記事内容が新しいことを記載すればユーザーも安心します。

新規で執筆するかリライトするかの見極め方

記事をリライトするかどうかは、検索順位を参考にします。30位以内であればリライトの対象にしますが、30位以降の記事は新規で執筆したほうがSEO対策にかける工数を抑えられる可能性があります。

検索順位を確認するタイミングは記事のジャンルやターゲットにもよりますが、公開後、検索エンジンの評価が安定するといわれる3か月後から半年後が目安です。公開後すぐリライトするのではなく、3か月を経過したあたりから検索順位を確認します。

リライトを行う前の準備

リライトする記事を選定したら、次にリライトを行う前の準備をします。

対策するキーワードの再調査

ターゲットとするキーワードのサジェストワードや関連キーワードを調べ、ユーザーの検索ニーズを今一度整理します。サジェストワードはGoogleの検索窓に入力して確認します。関連キーワードはラッコキーワードやUbersuggestなどの関連キーワード取得ツールを使います。

対策キーワードに対する記事の方向性の確認

続いて、記事の方向性を決めます。方向性を決めるというのは、製造業の場合、製品紹介や技術的な概要記事、導入事例などの項目からどれをメインとするかを決めることです。対策するキーワードから表示された上位10サイトのなかから、どのような方向性の記事が多いか確認して決めていきます。

3Cの視点で記事の構成を再検討

対策キーワードに対する記事の方向性の確認したあとは、3Cの視点で記事の構成を検討しなおします。3C分析の手順は以下の通りです。

STEP1 顧客・市場を分析
STEP2 競合を分析
STEP3 自社を分析

まずターゲットとなるキーワードの検索意図を明確にします(STEP1)。そして検索上位のサイトを調査して検索意図を満足させる記事がどのように書いているかチェックします(STEP2)。競合にあって自社にないキーワードがあれば、リライトで追加します(STEP3)。最後に、競合サイトと差別化できる自社のオリジナル情報を入れます(STEP3)。

特に、自社のオリジナル情報を入れることが大切です。上位サイトと同じ情報しか記載していなければ、Googleに評価されず上位を狙うのは難しくなります。必ず自社のオリジナル情報を入れましょう。

自社のオリジナル情報とは、例えば製品を実際に使った顧客の生の声や、導入事例など自社で積み上げた経験や実績が該当します。

リライトする際の注意点

リライトは必ず効果が出るわけではなく、記事の再評価が悪く検索順位が下がってしまう場合や、リライト前と同じ評価を受け、検索順位が停滞し変動が見られない場合もあります。そのような結果にならないためにリライトする際の注意点を紹介します。

注意点① E-A-Tを意識しているか

Googleに良い記事として評価されるためにはE-A-Tを意識した記事であることが前提です。E-A-Tとは、それぞれ以下の頭文字をとった呼び方です。

  • Expertise:専門性
  • Authoritativeness:権威性
  • TrustWorthiness:信頼性

E-A-Tのいずれかの要素が入っているか、確認しながらリライトします。

注意点② 独自性や網羅性のある記事になっているか

検索順位で上位表示を狙うためには、他社サイトとの差別化(独自性)が必要になります。また、ユーザーが持っているすべての疑問を解決できるような記事が評価されます(網羅性)。製造業を例にすると自社で開催しているセミナーの情報や顧客事例、導入効果、独自調査の結果などの記事を充実させることが望ましいです。

注意点③ 重複ページにならないか

テーマが同じ複数の記事が存在すると、ユーザーからは結局どの記事を見ればよいかわからなくなり、検索エンジンから評価がされにくくなります。

注意点④ ユーザー目線の記事かどうか

ユーザー目線で良い記事であることが前提です。ユーザーが求めている情報を記載しているか、読みやすい文章構成になっているか、一文一義など頭に入りやすい文章になっているか、ユーザーインターフェースが見やすいか、わかりやすい導線設計になっているか、を意識しながら記事をリライトします。

注意点⑤ SEO対策ができているか

SEO対策として、主に次の項目を意識してリライトします。

  • 対策キーワードをタイトルやディスクリプションに含める
  • 対策キーワードと共起語を文章中に含める
  • 上位サイトを参考に見出し構造が最適化する
  • こそあど言葉は極力使わずに具体的な用語で記述する

キーワードを意識し過ぎて不自然な文章にならないようにしましょう。

注意点⑥ リライト後の検証

リライトが完了し記事を更新したら、一定期間後に必ず効果の検証をおこないます。効果が出ていない場合は、ライティング的に気を付けることをもう一度確認して対策をします。

プラスアルファでできる工夫

リライトの注意点の他に、リライトの効果を上げる工夫について紹介します。

記事の見やすさを追求することの重要性

検索順位はキーワードなどのテキストの内容の他に、UXが重視されています。理由は、SEO評価の中にUXの視点が含まれているからです。UXとは(ユーザーエクスペリエンス:User eXperiende)の略称で、「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」を意味します。ユーザーの体験を改善し、製品・サービスを向上させることが目的です。すなわち、ユーザーに対する「読みやすさ(理解しやすさ)」の提供が重要です。

具体的に実施できる工夫として、以下のようなものが挙げられます。

テキストを加飾する

特に伝えたいところには太線や赤線、またマーカーなどの加飾をしましょう。短時間で記事を読みたいユーザーの利便性を考慮して、加飾部分だけを見れば要点がわかるようにまとめます。

イラストの作成を行う

画像を使うときは無料素材を使用するより、オリジナルの画像を記事に使用したほうがよりユーザーに情報が伝わりやすくなります。そのため、できるだけ自分で撮った写真やオリジナルのイラストを使用した記事の作成をおすすめします。

内部リンクを設置する

内部リンクを設置することでユーザーの利便性が向上します。ユーザーにとって、1つの記事にびっしり書かれるより、補足事項や関連事項を内部リンクで補間したほうが読みやすくなります。また、カテゴリやパンくずリスト、ページネーションとして内部リンクを設置することでサイトの全体把握ができてWEBサイト内を移動しやすくなります。内部リンクを設置することでGoogleクローラーが巡回しやすくなり、ページの内容をより早く検索エンジンに伝えられます。

ヒートマップによるコンテンツの再配置

ヒートマップを活用して、ユーザーが良く見ている記事をサイトの上部に配置する方法があります。ヒートマップとはサーモグラフィのような温度が高いところが赤く表示されるように、サイト内でよく読まれる箇所が赤く表示されるツールです。赤く示された部分=重要コンテンツとしてサイト上部に配置します。

3つのリライト事例

当メディア「モノカク」において、記事をリライトをしたことによって検索順位を上げた事例を3つご紹介します。

事例① EATを考慮しリライトした事例

【製造業】海外進出する5つの方法・進出方法の選び方
Googleのアルゴリズムで少しずつEATの要素が重要視されていたのを考慮して、リード文に海外進出の実績がある専門家が監修した記事であることを記載しました。専門家が監修することで、専門性と権威性、信頼性を満たした記事にリライトした事例です。リライト前は「海外進出 方法」というキーワードで20位前後だった順位がリライト後に最高2位まで上がりました。

事例② 最新情報を反映し記事の鮮度を高めた事例

【2022年版】中国の製造業(中国製造2025・主要産業・進出している日本企業も調査) 
検索上位のページを分析したところ、上位のページは更新日付が最近のものが多く、情報鮮度が重要であることがわかりました。当記事では中国の製造業の付加価値や人件費の高騰に関する推移などを最新の情報に更新し中国製造業界で旬なネタである「中国製造2025」の内容を記載、タイトルに2022年を追加し、最新情報を掲載している記事あることをアピールました。逆に「中国の基本情報」についてはユーザーの求めている情報かどうか精査した結果、削除しました。「中国 製造業」のキーワードで30位前後でしたが、リライトによって最高順位1位を獲得しました。

事例③ ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツを追加した事例

中小製造業が海外進出で失敗する理由・事例【2022年版】
リライト前は失敗理由を羅列しただけの内容でしたが、上位サイトでは失敗事例が多く紹介されていましたことからユーザーの検索意図として「事例を知りたい」というニーズが強いという仮説を立てました。コンテンツとして失敗事例を4選紹介した記事にリライトした結果、「海外進出 失敗」のキーワードで20位前後から最高順位4位を獲得しました。

まとめ

SEO記事のリライトは検索順位を上げることが目的ですが、根本にあるのはユーザーへの有益な情報の提供と利便性の向上です。検索順位30位以内の記事を目安に、3Cを考慮した対策キーワードの見直しや最新情報へのアップデート、E-A-Tを意識したリライトを行い。SEO対策をしていきましょう。

記事のリライトでお困りの際は、テクノポートへご相談ください。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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