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製造業が自社のパンフレットに載せるべき項目とは?

【執筆者紹介】椎名真弓
この記事の執筆者
椎名真弓
フリーランス・マーコム・サポーター
執筆テーマ:IT、製造にかかわるマーケティング全般

【経歴】
20年超にわたり、半導体・ディスプレイ関連のマーケティング業務に従事。市場分析から戦略立案、販売促進まで幅広い業務に携わった経験がある。現在はフリーランスにて中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っている。
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マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、すべての企業活動で必要となるパンフレット制作をテーマに取り上げます。そもそもパンフレットを作る目的にはどういうものがあり、どういう情報を掲載すべきなのか、掲載すべき内容やパンフレット制作のポイントについて解説していきます。

製造業におけるパンフレットの重要性と役割

製造業にとって、パンフレットは競争力を高める上で重要な役割を果たしています。本記事ではまず、パンフレットの重要性と役割についてお話します。

パンフレットの重要性

製造業にとって、パンフレットは企業のプレゼンスと信頼性を高める重要なツールです。ここでは、その重要性を5つの観点からご紹介します。

  • 直接的な情報伝達:パンフレットは、ビジネスや製品、サービスを直接伝えることができます。手に取ることで、製品の物理的存在感を感じられ、顧客への印象づけに役立ちます。
  • 強みや独自性のアピール:製品やサービスの強みや独自性、付加価値を打ち出すことができます。他社との差別化ポイントや特長を分かりやすく伝えることで、顧客の関心を引き付けられます。
  • ブランドメッセージの伝達:パンフレットは、企業のブランドメッセージを伝えるための有力な媒体です。ロゴやデザイン、文言の選び方などを通じて、企業の価値観や信念を伝えることができます。
  • ターゲットへの訴求:パンフレットは、特定の市場セグメントに訴求する手段としても有効です。顧客のニーズや関心に合わせてカスタマイズし、的確に訴求することで、効果的なマーケティングが可能となります。
  • 顧客獲得と生涯価値の向上:連絡先情報や問い合わせ先を明示することで、顧客の獲得と生涯価値の向上につなげられます。パンフレットを通じて顧客との接点を築き、関係を長期的に発展させることができます。

パンフレットの役割

製造業におけるパンフレットの役割は多岐にわたりますが、基本的な役割としては、以下の3つのポイントに集約されます。

  • 製品サービスの知名度向上:製品やサービスを広く知ってもらうための手段です。特長や利点を伝えることで、顧客の関心を引き付け、購買意欲を高めます。
  • 競争優位性の伝達:製造業の競争優位性を伝えるためのツールです。製品の品質や性能、価格競争力など、差別化ポイントを明確に伝えることで、顧客の選択を促します。
  • 信頼性と信用の確立:企業の信頼性と信用を確立するための重要な手段です。ブランドメッセージや実績を示すことで、顧客の信頼感を醸成し、長期的な関係の構築を支援します。

パンフレットの目的と掲載すべき項目

パンフレットは中小製造業において効果的な販促ツールですが、形式的に作るだけでは効果を最大化することはできません。パンフレットを作る目的を明確にし、適切な情報を掲載する必要があります。ここでは、パンフレットの目的と掲載すべき項目についてご紹介します。

パンフレットの目的

パンフレットは、主に以下の8つの目的でカテゴライズできます。

  • 会社案内:企業の特徴と強み、ビジョンを伝え、競争優位性をアピールします。顧客にとってなぜあなたの企業を選ぶべきかを明確に伝えることで、信頼と共感を得ることができます。
  • 製品/サービスの紹介:製品やサービスの特徴や利点、仕様などを説明し、顧客に価値を伝えます。顧客の購買意欲を高めるために、どのような問題を解決できるのかを重点的にアピールすると有効です。
  • ブランド認知:企業の理念や価値観を伝え、企業イメージを構築・浸透させることが重要です。顧客は企業ブランドに対する魅力や信頼度を高めるため、パンフレットを通じてブランドメッセージを伝えることが必要です。
  • 採用:求職者に対して会社情報や組織・仕事の魅力や内容を伝えます。求職者への興味喚起と応募意欲を促進するため、魅力的な企業文化やキャリアパスなどをパンフレットに掲載するとよいとされています。
  • 営業支援:製品やサービスの情報を提供し、営業活動をサポートします。営業担当者が説明したい流れや内容を考慮しながら、ページ構成や順序を検討すると効果的です。また、顧客からの問い合わせや購買意欲を促進するための情報を重点的に盛り込むとよいとされています。
  • イベント告知:イベントや展示会の告知を行います。掲載項目としては、顧客の興味を喚起し、参加を促すために、イベントの内容や出展製品に関する情報などがあります。
  • 販促支援:キャンペーンや特典情報など、企業の販促ツールとして活用します。顧客の購買意欲を刺激するような、魅力的な特典や限定オファーを案内すると効果的です。
  • 顧客サポート:製品の使い方や保守・メンテナンス情報を提供します。活用ガイドやQ&Aなどを通じて、顧客の満足度を向上させ、製品の生涯価値を高めることができます。

パンフレット制作の際には、これらの目的を念頭に置き、効果的な情報を盛り込むようにしましょう。中小製造業にとって、パンフレットは重要な販促ツールとなります。十分な計画と検討を行い、魅力的なパンフレットを作成しましょう。

パンフレットに掲載する項目

パンフレットには、目的に応じて適切な情報を掲載する必要があります。ここでは、一般的なパンフレットの掲載項目について説明します。情報を適切に絞り込み、目的に合わせた内容を掲載することが重要です。

  • 企業概要:企業の概要やビジョン、ミッションなどを掲載し、ブランドイメージを伝えます。
  • 業績:企業の沿革や売上実績、受賞歴などを示します。ただし、取引先実績については慎重に検討し、修正が困難な点に留意する必要があります。
  • 強み・独自性:企業の競争優位性や独自性を示しましょう。製品やサービスの強みだけでなく、企業としての競争力の源泉を明示すると効果的です。
  • 製品・サービスの特徴:製品やサービスの特徴、メリット、提供される価値を説明します。製品仕様や技術情報も掲載し、詳細な情報を提供しましょう。
  • 価格:製品やサービスの価格情報を掲載します。顧客企業全体のコスト削減につながる場合には、試算結果なども併せて記載しましょう。割引や特典情報も追加することで訴求力を高めます。
  • 事例:他の顧客の活用事例や顧客の声、満足度などを取り上げ、信頼性を向上させましょう。
  • 連絡先:顧客が問い合わせしたいときの連絡先情報を明示します。メール、電話、FAXなど複数の手段を記載すると便利です。また、Webサイトのリンクや問い合わせフォームへのQRコードを添付することも考慮しましょう。

パンフレットの項目は、目的やターゲットに合わせて適切に選択し、必要な情報を効果的に伝えるようにしましょう。顧客が必要な情報に簡単にアクセスできるように配慮し、読み手にとって使いやすいパンフレットを作成しましょう。

パンフレットの掲載例

ここまで、パンフレットの目的と掲載すべき項目について説明しましたが、具体例として「企業案内」および「製品・サービス紹介資料」の事例をご紹介します。これらは多くの企業で制作される一般的な事例です。

【企業案内の例】

  • 企業の概要やビジョン、ミッションの紹介
  • 主力製品やサービスの特徴と競合優位性
  • 企業の沿革や過去の実績

【製品・サービスの紹介資料の例】

  • 製品やサービスの詳細な説明
  • 特典やメリットの強調
  • オプションやカスタマイズの提案
  • 価格や条件の提示
  • 購入手続きや契約情報

これらの事例は一般的なパンフレット制作時に考慮される要素です。具体的な内容やデザインは企業の特性やターゲットによって異なる場合がありますが、目的に合わせた情報を簡潔かつ魅力的に伝えることが重要です。パンフレット制作の際には、これらの事例を参考にしながら、効果的なパンフレットを作成してください。

パンフレット制作のポイント

パンフレットを効果的に作成するには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここでは、パンフレット制作のポイントについてご紹介します。初心者でも分かりやすく、効果的なパンフレットを作成するために役立つ情報です。

ターゲット読者とニーズの理解

パンフレットを効果的に作成するためには、まずターゲット顧客の属性やニーズを明確に把握することが重要です。パンフレットの目的に合わせ、ターゲットが求める情報を提供しましょう。顧客の抱える課題や業界動向を分析し、自社の技術やサービスでどんな解決策が示せるかを検討しましょう。自社の独自性や強みとターゲットの課題解決手段を紐づけることが大切です。

ブランドメッセージ

パンフレットでは、ブランドのアイデンティティーを明確に伝えることが重要です。ミッションやバリューを明確化し、なぜこの事業を行っているのか、どのような価値を提供するのかを伝えましょう。ブランドの差別化や競合優位性を明示し、独自性をアピールしましょう。

また、ブランドのスタイルやトーンを反映したメッセージを使用しましょう。例えば、若々しいイメージを出したい場合、カラフルでアクティブなデザインや言葉を使うといった感じです。メッセージは簡潔で明確な言葉を使い、具体的な事例や数値データを活用して信憑性を高めましょう。読者の感情や興味を刺激する言葉を使い、専門用語や長文を避け、わかりやすい表現を心掛けるとよいでしょう。

コンテンツ作成

パンフレットのコンテンツは、シンプルで分かりやすいものが最も効果的です。情報を詰め込みすぎず、主要なポイントに絞りましょう。製品やサービスの特徴よりも、その特徴によって得られる具体的な利益や付加価値を伝えることが大切です。キャッチコピーは顧客の問題解決に焦点をあて、それを端的に表すようにしましょう。

表紙の部分は、見ただけで会社や製品の特徴が伝わるようなものを心掛けましょう。特に展示会などでは、多くのパンフレットが配布されるため、自社のパンフレットが埋もれないように注意しましょう。

デザインとレイアウト

パンフレットのデザインは、読みやすさと視覚的な魅力を兼ね備えるようにしましょう。適切なフォント、カラーパレット、画像を使用し、統一感のあるデザインを作成しましょう。

フォントはブランドのイメージやメッセージに合ったものを選びましょう。カラーパレットもブランドのカラースキームに沿ったものを選ぶとよいです。また、レイアウトでは情報の整理と視覚的なバランスを考慮する必要があります。情報が詰まりすぎないよう、読みやすい適度な余白を持つようにしましょう。

関連する情報をまとめてグループ化し、視覚的な整合性を出すことも大切です。目立つイメージを使うことで、自社のパンフレットが記憶に残りやすくなります。

信頼性の伝え方

パンフレットでは、顧客事例や成功事例を活用して製品やサービスの信頼性を訴求しましょう。実績や評価、満足度の高い顧客の声を引用すると効果的です。また、企業の歴史や資格・認証、専門知識なども信頼性を高める要素として活用しましょう。

パンフレット掲載・配布の方法

展示会やセミナー、ネットワーキングイベントなど、ターゲットが集まる場所でパンフレットを掲載しましょう。アナログな方法では、直接手渡しや郵送などがあります。イベントで収集したアンケートや問い合わせから確度の高い顧客に配布するのも効果的です。

デジタルの方法としては、パンフレットをPDF化してWebからダウンロードするやり方があります。リスティング広告やSEO対策などを活用して、ユーザーの流入を促進することも重要です。また、メールやSNSなどを活用して、ダウンロードを促す告知を行うことも有効です。ターゲットはさまざまな手段で情報を得るため、複数の施策を併用することがより効果的です。

以上が、パンフレット制作のポイントについてのお役立ち情報です。これらのポイントを押さえながら、効果的なパンフレットを作成し、中小製造業の販促活動にお役立てください。

まとめ

製造業にとって、パンフレットは競争力を高めるために重要な役割を果たしています。パンフレットは直接的な情報伝達や強みや独自性のアピール、ブランドメッセージの伝達、ターゲットへの訴求、顧客獲得と生涯価値の向上など、さまざまな重要な役割を担っています。

パンフレット制作の際には、目的を明確にし、適切な情報を掲載することが大切です。また、パンフレット制作にはターゲット読者のニーズを理解し、ブランドメッセージを明確に伝えることや、シンプルでわかりやすいコンテンツ作成が求められます。本記事では、魅力的に見せるデザインのやり方や、信頼性の示し方、掲載方法なども簡単に紹介していますので、制作する際に参考にしてください。

製造業の競争力強化には、効果的なパンフレットが不可欠です。テクノポートは効果的なパンフレット制作を支援するサービスもご用意しています。パンフレットの作成に関して、ご相談やお手伝いが必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

この記事の執筆者
椎名真弓
フリーランス・マーコム・サポーター
執筆テーマ:IT、製造にかかわるマーケティング全般

【経歴】
20年超にわたり、半導体・ディスプレイ関連のマーケティング業務に従事。市場分析から戦略立案、販売促進まで幅広い業務に携わった経験がある。現在はフリーランスにて中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っている。
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