こんにちは。テクノポートでホワイトペーパーの制作を担当している卜部です。ホワイトペーパーは、BtoB企業のマーケティング戦略において重要な役割を果たすツールです。しかし、その制作には専門知識と多大な時間が必要となります。本記事では、ホワイトペーパーの外注を成功させるための方法を解説します。外注すべきかどうかの判断から、外注先の選定、効果的な依頼方法、そして成果物のチェックポイントまでをステップバイステップで解説します。
また、ホワイトペーパーを外注する際の要件定義シートも公開しています。
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この記事の目次
そもそも、ホワイトペーパーを外注すべきかどうかは、どう判断すればいいの?
ホワイトペーパーを制作しようと思ったとき、まずそれを社内で作るか、外注するかを決める必要があります。次の点を考慮して判断しましょう。
社内リソースの有無
ホワイトペーパーの作成には一定の時間がかかります。まず、社内でホワイトペーパーの制作に十分な時間を割くことができるかを検討しましょう。次に、専門知識を持つ執筆者やデザイナーなど、必要な人材が社内に揃っているかも確認しましょう。
さらに、ターゲット層の課題を適切に分析し、効果的なコンテンツを作成するために必要な専門知識を社内で保有しているかを評価する必要があります。これらの要素が社内に整っていない場合は、外注化の検討をおすすめします。
外部の視点の必要性
作ろうとしているホワイトペーパーに外部の視点が必要かどうかを考えます。必要な場合は外注化をおすすめします。ホワイトペーパーの作成において、自社の製品やサービスを客観的に評価することは重要です。しかし、社内の視点だけでは、しばしばバイアスがかかり、顧客の視点などの客観性を保つことが難しくなります。そこで、外部の専門家の視点を取り入れることが有効です。
例えば、市場調査会社に依頼して、自社製品と競合製品の比較分析を行うことで、より信頼性の高いデータを得ることができます。また、ターゲット層に対して直接インタビューやアンケートを実施することで、ニーズや課題を深く理解することが可能になります。
ホワイトペーパーを外注する際の流れ
ホワイトペーパーを外注する流れは次の通りです。それぞれのステップで確認すべき点を次の章から紹介します。
- 外注する前に事前に与件を整理する
- 外注検討先と打ち合わせを行い、諸々を確認する
- 外注先を決め、発注する
- 成果物をチェックして、校了する
ホワイトペーパーを外注する前に、事前に整理すべき情報
ホワイトペーパーを外注することになったら、実際の制作会社と打ち合わせを行う前に次の情報を整理しておく必要があります。これらを決めておくことで打ち合わせや制作をスムーズに進めることができます。
予算
全体の予算を設定し、執筆、デザイン、場合によっては印刷や配布にかかるコストの内訳を検討します。また、翻訳などの追加コストの可能性も考慮に入れておくことが重要です。
目的や目標とするKPI
ホワイトペーパー作成の主要な目的(例:リード獲得、ブランド認知度向上、専門性のアピールなど)を明確にします。そして、その目的に沿った具体的な数値目標(ダウンロード数など)を設定します。これらのKPIどの期間で評価するかも決めておきます。
活用方法
ホワイトペーパーをどのように活用するかを計画します。オンラインでの配布(ウェブサイトでのダウンロード、メールマーケティングでの使用など)や、オフラインでの活用(展示会での配布、セールス資料としての使用など)を検討します。また、ソーシャルメディアでの利用方法や、営業活動での具体的な使用シーンも想定しておきます。
訴求ポイント(製品/サービス)
ホワイトペーパーで主に訴求したい製品やサービスの特徴をリストアップします。競合との差別化ポイントや、顧客にもたらす具体的なメリットを明確にします。可能であれば、実際の顧客事例や統計データなども準備しておくと良いでしょう。
想定読者(ターゲット)
ホワイトペーパーの読者として想定する対象を具体的に定義します。業界、職種、役職、企業規模、地域などの基本的な属性に加え、彼らが抱える課題や悩み、情報収集の習慣、専門知識のレベルなども考慮します。
大まかなストーリーや必ず入れ内容
ホワイトペーパー全体の大まかな構成を考えます。主要なセクションや、各セクションで盛り込むべき重要なポイントをリストアップします。また、内容をより分かりやすく伝えるための視覚情報(図表、チャート、インフォグラフィックなど)のアイデアも検討しておくと良いでしょう。
外注先の初回の打ち合わせで確認すべきこと
ホワイトペーパーを外注することを決め、事前情報を整理した後は、外注先の検討と打ち合わせを行いましょう。外注検討している会社との初回打ち合わせの際は、以下の点を重点的に確認するとよいでしょう。
見積
見積の総額と内訳を確認します。特に、執筆、編集、デザイン、レイアウトなどの各工程にかかるコストを明確にします。また、追加の修正や改訂が必要になった場合の追加費用についても確認しておきましょう。
納期
最終的な納品日を確認するとともに、中間成果物(例:アウトライン、初稿、デザイン案など)の提出日程も確認します。
外注先の作業範囲
外注先が提供する具体的な成果物(例:文章、図表、デザインレイアウトなど)のリストを作成し、各成果物の仕様(ページ数、文字数、図表の数など)を明確にします。また、含まれないサービス(例:印刷、翻訳など)についても確認し、必要に応じて追加で依頼するかどうかを検討します。
どのレベルまで「企画」をしてくれるか
外注先がどの程度まで「企画」に関与するかを確認します。例えば、全体のコンセプト立案から行うのか、クライアントが提供した大まかな方向性に基づいて詳細な構成案を作成するのか、あるいは完全に指示通りに作成するのかなどを明確にしましょう。
制作のフロー
制作過程の各段階で提供される成果物(例:アウトライン、初稿、デザイン案など)の種類と、それぞれのレビューとフィードバックのタイミングを確認します。また、各段階での修正回数に制限があるかどうかも確認しておきましょう。
制作実績
外注先の過去の類似のホワイトペーパー制作の事例を確認し、その品質や効果を評価します。また、実際にプロジェクトを担当する人員の経験と専門性、さらにクライアントの業界に関する知識の深さも確認しましょう。
コンテンツ品質のチェック体制
外注先の社内でのレビューのプロセスを確認します。例えば、複数の編集者によるダブルチェックや、専門家によるファクトチェックなどが行われるかを確認します。また、品質を評価する基準(例:読みやすさ、正確性、説得力など)と、それをどのように測定するかについても確認しておくと良いでしょう。
発注時の理想的な依頼方法について
ホワイトペーパーの外注先を選定したら、発注します。発注する際には改めて具体的な情報を外注先に渡すことで、期待に沿ったホワイトペーパーを作成してもらうことができるでしょう。
「外注する前に整理すべき情報」を要件定義シートにまとめる
ホワイトペーパーを外注する際の要件定義シートは▶こちらからダウンロード◀
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要件定義シートは、期待するホワイトペーパーの制作に不可欠です。これには、先ほどご説明した「ホワイトペーパーを外注する前に、事前に整理すべき情報」を含めると良いでしょう。
完成形のイメージの指示
外注先に対して、期待する成果物のイメージを具体的に伝えましょう。そのためには、以下のような方法があります。
参考となる自社もしくは他社のホワイトペーパー
業界内外で優れていると感じるホワイトペーパーの例を示し、そのどの部分が良いと思うかを具体的に説明します。
レイアウトやデザインの具体例
ページレイアウト、図表の使い方、色使いなどについて、具体的なイメージや好みを伝えます。可能であれば、ラフスケッチや既存の資料の一部を示すと効果的です。
希望納期の指示(社内確認日数含めた最終校了日の確認)
プロジェクトのタイムラインを明確にすることは、スムーズな進行のために不可欠です。以下の点に注意して希望納期を指示しましょう。
最終校了日の設定
最終的にホワイトペーパーを使用開始したい日から逆算して、最終校了日を設定します。
社内確認のための時間的余裕
内部での確認やレビュー、承認のプロセスに必要な時間を考慮に入れます。往々にして、この部分が予想以上に時間がかかることがあるので、十分な余裕を持たせることが重要です。
マイルストーンの設定
プロジェクト全体を通じて、いくつかのマイルストーン(例:アウトライン承認、初稿提出、デザイン案承認など)を設定し、それぞれの期限を明確にします。
このように納期を明確に指示することで、外注先はプロジェクトのスケジュールを適切に管理し、期限内に質の高い成果物を提供することができるでしょう。
ホワイトペーパーの初稿が外注先より納品された際にチェックすべき項目
発注後に外注先から成果物が納品された際には、社内でのチェックも重要な工程になります。初稿のチェック項目を次に整理しましたので、ご参考にしてみてください。
ストーリーが破綻していないか
ホワイトペーパー全体を通して、一貫性のあるストーリーが展開されているかを確認しましょう。以下の点に注意してチェックすることをおすすめします。
全体的な流れ
導入から結論まで、論理的かつスムーズな展開になっているか確認します。読者が自然に次の段落に進みたくなるような構成になっているかをチェックします。
各セクション間のつながり
各セクションが互いに関連し、全体のテーマに沿っているかを確認します。唐突な話題の変更や、関連性の薄い内容が含まれていないかをチェックします。
結論への導き方
ホワイトペーパーの主張や提案が、それまでの内容から自然に導き出されているかを確認します。結論が唐突に現れたり、前の内容と矛盾したりしていないかをチェックします。
情報粒度が希望通りになっているか(浅くないか、具体的か)
ターゲット読者にとって適切な情報の深さと具体性が提供されているかを確認しましょう。
内容の深さ
トピックに対する表面的な説明だけでなく、十分な深掘りがされているかをチェックします。ただし、読者の知識レベルに応じて、過度に専門的にならないよう注意します。
具体性
抽象的な説明だけでなく、具体例や事例が適切に盛り込まれているかを確認します。
データの充実度
主張を裏付ける数値データや統計情報が十分に提供されているかをチェックします。ただし、データの過剰な使用で読みにくくなっていないかにも注意します。
ファクトチェック
ホワイトペーパーの信頼性を確保するために、以下の点を厳密にチェックしましょう。
数値データの正確性
提示されているすべての数値データが正確であるかを確認します。可能であれば、元のソースにさかのぼってチェックします。
引用の適切さ
他のソースを引用している場合、それが適切に行われているかを確認します。引用元が明記され、文脈から外れていないかをチェックします。
最新の情報
特に急速に変化する分野では、提供されている情報が最新のものであるかを確認します。古い統計や過去の事例が、現在の状況を正確に反映していない可能性がある場合は、更新を検討しましょう。
まとめ
ホワイトペーパーの外注は、適切に進めることで高品質な成果物を得られる有効な手段です。本記事で説明した主要なポイントを以下にまとめます。
- 外注の判断社
内リソースの有無と外部視点の必要性を慎重に評価しましょう。 - 事前準備
予算、目的、KPI、活用方法、訴求ポイント、想定読者、大まかな構成を明確にしておきます。 - 初回打ち合わせ
見積、納期、作業範囲、企画レベル、制作フロー、実績、品質チェック体制を確認します。 - 理想的な依頼方法
要件定義シートの作成、完成形のイメージ指示、希望納期の明確化が重要です。 - 初稿チェック
ストーリーの一貫性、情報の深さと具体性、ファクトの正確性を丁寧に確認します。
これらのステップを踏むことで、期待に沿った効果的なホワイトペーパーを制作することができます。外注先とのコミュニケーションを密に取り、プロジェクトの各段階で適切なフィードバックを行うことで、最終的に高品質な成果物を得られるでしょう。
ホワイトペーパーは貴社の専門性と価値提案を効果的に伝える重要なマーケティングツールです。本記事を参考に、戦略的なホワイトペーパー制作を進めていただければ幸いです。
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