こんにちは、テクノポートの五月女です。製造業各社は、製品の品質や信頼性を効果的に伝えるため、製造工程の可視化に力を入れています。今回紹介するのは「製造工程動画」で、実際の製造現場や品質管理の様子を映像化することで、企業の取り組みを具体的に示すツールとして活用されています。
本記事では、製造工程動画の概要から具体的な事例、メリット、活用方法、制作のポイントまで詳しく解説します。
この記事の目次
製造工程動画とは
今回の記事で紹介する製造工程動画の定義を説明します。製造工程動画とは、製品が原材料から完成品に至るまでの製造過程を映像で記録・紹介するコンテンツのことになります。これには、工場内の機械の稼働風景、製造ラインの流れ、品質管理のプロセスなどが含まれます。
製造工程動画は、企業の技術力や製造プロセスの透明性を示すことで、見込み顧客や取引先に対する信頼性を高める役割を果たします。
大手メーカーに勤務する設計開発部門、購買調達部門、 研究開発部門の担当者111名に、新規外注先を探す際に重要視していることを調査した際に、「加工事例」「設備情報」「工場の風景」を重要視するという声もありました。そのため、製造工程動画を作成し、ホームページに掲載することで、新規の顧客獲得に寄与すると考えられます。
製造工程動画事例
1. 半導体
サンケン電気株式会社では、半導体の製造工程を「前工程」と「後工程」に分けて動画で公開しています。普段は見ることができないクリーンルーム内部の様子を、高画質映像で見ることができます。微細な回路パターンを形成する工程や、厳格な品質検査の様子を鮮明に映し出すことで、高い技術力を効果的にアピールしています。
2. プリント基板
MEIKO Laboでは、プリント基板の製造工程を8つの工程に分けて動画で紹介しています。各工程を約3分の動画で解説し、イラストを効果的に用いることで分かりやすさを追求しています。それぞれの動画にはホームページや問い合わせへのリンクを掲載し、動画内でもホームページへのアクセスを促すことで、ホームページへのアクセス増加を促進しています。
3. タイヤ製造
厚生労働省が作成したタイヤの製造工程動画では、専門用語を交えながら工程を解説しています。「トレッド」や「サイドウォール」など、タイヤの各部位の名称を学ぶことができるので、製造工程の理解を深めるだけでなく、タイヤに関する知識も得られます。
4. ベアリング製造
株式会社ミヤケの動画では、実際の製造工程で使用される装置を紹介しながら、同社の強みをアピールする構成となっています。製造現場の様子から品質管理に至るまで、詳細な工程を見ることができるため、設計者や研究開発部門の担当者は、具体的なイメージを持ちながら問い合わせをすることができます。
5. ストーブ製造
ケンズメタルワークでは、手作り薪ストーブの製造工程を動画で公開しています。熟練の職人による溶接作業など、細部までこだわった手作業の様子を映し出すことで、高い技術力をアピールし、顧客の信頼を獲得しています。
6. 紙の製造工程
アスクル株式会社は、コピー用紙の生産地であるインドネシアの原料調達と製造工程を分かりやすく紹介する動画を制作しています。海外生産品に対して品質面で不安を感じる消費者に、実際の原料や工程を見せることで、品質へのこだわりをアピールしています。さらに、環境への配慮についても触れることで、企業としての責任感も伝えています。このように、一つの動画で多角的にアピールすることで、視聴者に安心感と信頼感を与えています。
製造工程動画のメリット
SEO効果の向上
製造工程動画をウェブサイトに掲載することで、SEO(検索エンジン最適化)効果が期待できます。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーにとって有益な情報を提供するウェブサイトを高く評価します。動画コンテンツはテキストコンテンツと比較して、ユーザーの滞在時間が長くなる傾向があり、ウェブサイトの評価向上に繋がります。
さらに、動画の説明文やタグに関連キーワードを適切に配置することで、検索結果での表示順位が向上し、より多くのユーザーの目に触れる機会が増加します。例えば、「自動車部品 製造工程」といったキーワードで検索するユーザーに対し、自社の製造工程動画が上位に表示されれば、ウェブサイトへのアクセス増加が見込めます。
信頼性の向上
製造工程を公開することで、企業の透明性が高まり、顧客や取引先からの信頼を獲得することができます。「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、製品がどのように作られているのかを実際に見て理解することで、顧客は安心感と信頼感を抱きます。
アスクル株式会社のように、海外で製造されている工程を見せることで、消費者に安心感を与えることができます。また、品質管理体制を紹介することで、製品への信頼性を高めることができます。
顧客の理解促進
複雑な製造プロセスを動画で視覚的に説明することで、顧客の理解を促進することができます。専門用語や複雑な図解を用いた説明よりも、動画で実際の工程を見せる方が、顧客にとって理解しやすく、記憶にも残りやすいでしょう。
半導体工程のように、高度な技術力と精密な作業工程を見せることで、顧客の理解を促進することができます。専門用語を説明する場合でも、動画で実際の工程を見せる方が、顧客にとって理解しやすく記憶にも残りやすくなります。
製造工程動画の具体的な活用方法
ウェブサイトやSNS
ウェブサイトでは、製品ページに動画を組み込むことで顧客の理解を深め、購入を促進する効果が期待できます。また、企業理念を伝える動画を掲載することで、企業の透明性を高め、顧客との信頼関係構築にも役立ちます。SNSでの活用では、幅広いユーザーにリーチし、ブランド認知度向上に繋げることが可能です。
展示会や商談でのプレゼン
展示会や商談の場で活用することで、顧客の関心を引きつけ、成約率を高める効果が期待できます。プレゼンテーションでは、動画を用いることで視覚的に製品や技術をアピールし、顧客の理解を促進。商談では、顧客の質問に答える形で動画を再生することで、より具体的な説明が可能となり、成約へと繋げやすくなります。
社内教育
新入社員研修では、動画を通して会社全体の業務の流れや各部署の役割を理解させ、スムーズな職場への適応を促すことができます。また、従業員教育では、熟練工の技術を動画で記録・共有することで、技術伝承を効率的に行うことができます。作業手順や安全教育を動画で実施することで、理解度を高め、作業効率向上と事故防止にも繋がるでしょう。
製造工程動画のメリット
大量に作ってSEO対策に
製造工程動画を大量に制作し、ウェブサイトやYouTubeなどの動画プラットフォームにアップロードすることで、SEO対策としての効果を最大化できます。様々なキーワードやトピックに対応した動画を作成することで、検索エンジンのランキングで上位表示される可能性が高まります。例えば、「〇〇(製品名) 製造工程」といったキーワードだけでなく、「〇〇(製品名) 作り方」「〇〇(製品名) 原材料」など、ユーザーが検索する可能性のあるキーワードを網羅的にカバーすることで、より多くのユーザーをウェブサイトに誘導することができます。
編集とナレーションの工夫
製造工程動画の編集やナレーションは、視聴者の理解と興味を引きつけるために非常に重要です。以下のポイントに注意して制作することで、効果的な動画を作成できます。
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編集の工夫: テンポ良く編集し、重要なポイントを強調することで視聴者の関心を維持します。必要に応じて図解やアニメーションを挿入し、複雑なプロセスを分かりやすく説明します。
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ナレーションの工夫: 明瞭で聞き取りやすいナレーションを使用し、専門用語を分かりやすく解説します。
- テロップの追加: 要点をまとめたテロップや、専門用語の解説などを表示することで、視聴者の理解を助けることができます。
まとめ
製造工程動画は、企業の透明性を高め、製品の品質や信頼性を効果的に伝えるための強力なツールです。具体的な事例を通じて、その効果や活用方法を理解することで、自社のマーケティング戦略に取り入れる価値があることが分かります。
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