こんにちは、テクノポートの永井です。Webを使って技術マーケティングをするためには、ターゲットに自社の技術を理解してもらわなければなりません。しかし、コンテンツだけで技術を理解してもらうことは容易ではありません。
今回は技術コンテンツを作る上で役に立つ
- ストーリーライン
- MFTフレームワーク
- 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)
をご紹介します。
この記事の目次
技術を理解してもらうためのストーリーライン
技術コンテンツを作る目的は「ターゲットにコンテンツをすべて読んでもらい、自社の技術を理解してもらうこと」です。
そのためには
- 途中で飽きられてはいけない
- 難しすぎてはいけない
- 「自分に関係ない」と思われてはいけない
といった条件をクリアしなければなりません。
そこで役立つのが「ストーリーライン」です。ストーリーラインとは、話の流れのことです。うまく作れば、知識がなくこちらの技術に興味が薄い人にも、こちらの技術に興味を持ってもらえるようにマインドチェンジできるようになります。
気をつけるポイントは3つ
第一に、誰もが納得するところから話を始めることです。疑問点が生じた時点で読まれなくなる確率が上がるため、できるだけ疑問点が出ないところから始めてください。
第二に、コンテンツの中で知識レベルを揃えることです。読者の中には専門家もいれば、分野外の方もいます。話の内容がわからなくなった時点でそれ以上読まれなくなるため、詳しい説明をするときも、まず技術の概要や背景から始めるなど工夫するようにしましょう。
最後に、相手が問い合わせしたくなるような工夫をすることです。これによって問い合わせに繋がりやすくなります。
技術コンテンツを作る場合は、ストーリーラインも意識してみてください。
ターゲットのニーズの場合分けにはMFTフレームワーク
MFTとは、Market(市場)・Function(機能)・Technology(技術)の頭文字を取ったものです。新しい市場に参入するときなど、自社に足りない技術の洗い出しを行う際にMFTフレームワークを使います。
このフレームワークの便利なところは、技術と市場の結びつきだけではなく、その間に機能が入っていることです。MFTフレームワークを使うことで、技術を使う機能と、機能が必要な市場との関係性を簡単にまとめることができます。
実はMFTの各段階において、技術者が求める情報は異なります。そのため、技術コンテンツを作るときは、ターゲットの求めている技術がどういうものなのかを検討するためにMFTフレームワークを使います。
MFTフレームワークの詳細はこちらを参照ください。
技術コンテンツの作り方
文章を作るための基本的な流れを紹介します。
- 何を伝えたいのか決める(技術、スペックの違いなど)
- 誰に読んでもらいたいか決める(ターゲット|MFTフレームワーク)
- ターゲットの興味と技術を紐付ける(ストーリーライン)
- 1〜3を整理した上で構成を決める(型)
- 文章を書く
- 校正する
次に紹介する型を使うと構成を作りやすくなります。
構成に使える3つの型
1.図鑑型
図鑑型は、図鑑のように類似技術を並べた上で、自社技術のPRを行う手法です。
類似技術名でSEO対策ができるため、自社の技術を知らない企業にも有効です。ターゲットは幅広い技術を求めている研究開発、設計がメインになります。
図鑑型の構成
- 概要
- 類似技術と自社技術の詳細説明
- 自社技術の優位点の説明
- 自社技術を使って何ができるかを説明(用途、展望など)
- まとめ
- お問い合わせ
参考:開発と実用化が進むxR 仮想世界で活躍するインターフェース技術を紹介
2.課題解決型
課題解決型は、ピンポイントの課題に対して、自社技術を提案するときに使います。
SEO対策は既知の技術名や課題名など、課題に関するもので行います。ターゲットは幅広く研究開発、設計、生技など、課題を抱えている技術者全般になります。この型の特徴はHOTリードや相談者を獲得しやすいことです。
ターゲットは明確な課題を抱えており、使えそうであればすぐに使いたいと考えているため、問い合わせに繋がりやすくなります。
課題解決型の構成
- 概要
- 課題の想起
- 既存技術で課題を解決できない理由
- 自社の技術の説明
- 使うことでどんなメリットがあるか
- 課題解決例
- まとめ
- お問い合わせ
参考:−30℃から50℃へ1分以内に急速加熱 NISSHA 透明フィルムヒーター
3.論文型
論文型は、既存技術の技術力を伝えたいときに有効です。
SEO対策は既知の技術名やその特長になり、専門家に見つけてもらうことが前提となります。そのため、ターゲットは研究開発、設計などがメインになります。この型を使うことで、自社の技術力の高さや技術の使い方などを伝えやすくなります。
論文型の構成
- 概要
- 一般的な技術と改善点(グラフなどを使って説明)
- その技術で何ができるようになったかの説明
- できるようになった理由 (エビデンスなど)
- 何が可能になるのか (用途例、展望など)
- まとめ
- お問い合わせ
MFTフレームワークと型
MFTフレームワークはターゲットのニーズを整理するときに使い、型はニーズに合わせて、伝えたい内容を整理するときに使います。MFTフレームワークの各段階の技術者のニーズとしては、一般的に下記のような傾向があると言われています。
市場(Market)視点で技術探索する技術者:持っていない技術を自社で開発せず、開発済みの技術をそのまま取り入れようとするケースが多い
機能(Function)視点で技術探索する技術者:製品開発の途中で発生した技術課題の解決に向けて情報収集しているケースが多い
技術(Technology)視点で技術探索する技術者:該当技術に詳しい技術者が探すケースが多い
MFTフレームの各段階において、すべての型を使うことができますので、ターゲットのニーズを見極めた上でどの型を使うか判断してださい。
まとめ
ストーリーラインからコンテンツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうためには下記のような工夫も必要になります。
- 知的好奇心をくすぐる情報を入れる
- 図や表、イラストを使う
- 太字やマーカーを入れ、斜め読みでも内容が伝わるようにする
- 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする など
- タイトルとディスクリプションの文言
ストーリーラインやMFTフレームワーク、技術コンテンツの型を使うことで、しっかりとしたコンテンツが作りやすくなります。コンテンツの作り方で迷ったときは、ぜひ今回の記事の内容を試してみてください。
テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。
他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。