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トラブルを未然に防ぎたい! 記事外注あるある3選

【執筆者紹介】卜部克哉
この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
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テクノポートの卜部です。コンテンツマーケティングに取り組む企業が増える中で、ライターさんに記事を外注したものの思ったように進まない、うまくいかないという話をよく耳にします。この記事では、よくある3つの失敗と、予防策をご紹介します。

記事を外注してうまくいかないときのあるある3選

ライターと会社の板挟み

まず一つ目は、ライターの意見と社内の要望が異なってしまい、窓口となる担当者が板挟みになって疲弊してしまうケースです。特に記事作成後の修正時に発生します。特につらいと聞くのは、会社の意向とライターのポリシーがぶつかって、記事が校了しないまたはライターに修正してもらえないパターンです。

例えば、取材やヒアリングをして執筆する記事の場合、話し手が取材慣れしていないことでフランクに話しすぎてしまった部分をそのまま記事化し、ライターからは「お話しされてたことですよね」と言われ、会社からは「どうしてお金を払って書いてもらっているのに要望を聞いてもらえないのか」と言われる場合などがあります。

【対策】

  • 自社のチェック体制・フローを事前にライターに伝えておく
  • 取材の場合などは、取材が終わったタイミングで記事化NGな言動などをメモなどで良いのでライターに渡しておく
  • ライターのSNSなどを確認して日頃の言動や性格を下調べしてから依頼する

思ったような記事ができない

2つ目はなんだか思っていたものと違う…というぼんやりした失敗です。このケースは、大きく2つに分かれます。

1つは、具体的なイメージを共有できていないケースです。記事を受け取った担当者が思う場合は、担当者の方が忙しく、具体的なイメージを持てないまま「ライターにお任せすれば大丈夫だろう」と軽い気持ちで丸投げしている時によく起こります。上司から言われるときは、「コンテンツとかよくわからないから任せる!なんかあったら言ってくれ!」と丸投げされてしまっていたり、相談をしても「よくわからないからいい感じにやって」と放任されていたりする時です。

2つ目は、修正のフローで社内の色々な人が思い思いに修正指示を出した結果、記事そのものが明後日の方向にいくケースです。ライターと担当者の間で合意が取れていても、確認をしたりや決裁権をもつ社内の人物が企画の意図を理解せず細部にこだわる時に起こりがちです。極端な例ですが、高校生の関心を掴むためのコンテンツを作っていたはずが、専門誌に掲載する難しい話になるなどです。

【対策】

  • 他社や他業界のものでよいのでイメージ(文体や雰囲気など)に近いコンテンツのアウトプットを2〜3点ピックアップし、ライター・社内ともに共有しましょう。
    日頃からいいなと思うコンテンツをメモしておく、またWebメディアなどを見るようにするのもおすすめです。
  • 「なんでもいい」「お任せする」は禁止
    企業が予算を確保して行うのになんでもよいということはありえないので、「これがいい」または「こういうのは嫌だ・違う」からでもよいので一つずつ書き出して整理してみましょう。複数のコンテンツからどっちが良いかと考える方法もあります。
  • 社内でイエスマンにならない
    主旨に沿わない意見まで拾い上げない。必要な修正かどうかの線引きをしましょう。そのために、企画の趣旨や読者を明確にして、企画の段階で決裁や根回しをしておくのも安牌です。企画書を添えて説明をしてから修正を依頼できるとベストです。

送られてきた原稿のクオリティが低い

ライターから送られてきた原稿がそのまま掲載できるクオリティではなかったということもしばしば耳にします。事前にその人が書いた記事を確認すれば防ぐことができると思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。また、自分が書いた文章のセルフチェックには限界があるので第三者がチェックするほうが確実かもしれません。プロのライター同士でも「正しい日本語」の認識が異なることも少なくありません。原稿の校正作業や、複数のライターに依頼する場合の記事ごとの文体の統一は手間と時間がかかります。

【対策】

  • 生の原稿をみせてもらう
    事前にその人が書いた記事を確認すれば防げそうだと思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。
  • ブログやSNSの文章を見る
    個人で運営しているブログやSNSであれば、第三者の手が加わっていることは少ないので素の文章をみることができます。
  • クラウドソーシングでそのライターの仕事の評価を確認する
    あまり厳しい評価をしていることは見かけませんが、リピートの依頼があるかどうかなどで判断ができます。
  • 校正や編集者を用意する

まとめ

1回目で誰もが100%満足する、そのまま入稿できるような記事が叶うことはほとんどないと思います。要望や求めているポイントをすり合わせながら、一緒に記事を作っていく意識も必要です。事前に依頼したい内容や企画、フローが整理できていると回避できることはたくさんあるのでこちらの記事も参考にして、まずは自分たちの企画や体制を整理してみてください。

また、クラウドソーシングのプラットフォームやSNSは、ライターについての情報収集にも活用できます。ライターとして活躍ていきたい方もいれば、副業として月○円稼ぎたいという目的の一つでライターをしている方、自分の名前を出して有名になりたい方、裏方でいたい方などさまざまです。

コンテンツの依頼でうまくいかなかったことがある方は、次の依頼をする際に余裕があればライターに「こういうことがあって、大変だったんですよね」という話をしてみたり、相手に「困った案件のエピソード」を聞いてみるのもおすすめです。お互いにされたら嫌なことがわかります。

記事を外注する際の参考になれば幸いです。

この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
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