テクノポートの卜部です。「参考になるホワイトペーパーがなかなか見つからない」「どんなホワイトペーパーが成功するのかわからない」といったお悩みはありませんか。ホワイトペーパーは、BtoBマーケティングにおいて有効な手段ですが、コツを知らずに作ってしまうと工数の無駄になりかねません。
そこで本記事では、製造業を中心に参考になるホワイトペーパーの事例を20個紹介します。企業の担当者の方は、自社のホワイトペーパーの企画や制作のヒントとしてご活用ください。
この記事の目次
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、自社製品やサービスに関する技術情報や、読者の課題解決につながるであろう自社ソリューションを紹介するための資料です。
これは、BtoBマーケティングにおいて非常に効果的な方法で、製造業にもおすすめのコンテンツマーケティングです。
製造業関連のホワイトペーパー事例20選
では、ホワイトペーパーの事例を20個紹介します。
事例1:株式会社キーエンス
出典:株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、FA機器の開発や製造を中心としている企業です。
幅広い製品を扱っているため、ホワイトペーパーの種類・数が他企業と比較して非常に豊富です。読者目線での要望を日々吸い上げてコンテンツ化しており、ホワイトペーパーは現在もコンスタントに更新されています。幅広い製品の取り扱いがある企業は、ぜひキーエンスの事例を参考にしてみてください。
事例2:株式会社バーテック
出典:株式会社バーテック
株式会社バーテックは、ブラシの開発・製造・販売を行っているメーカーです。「新しく製造担当者になった人のための」とタイトルにある通り、どの工業用ブラシを選ぶべきかがよくわかる内容になっています。
バリ取り用パワーブラシというニッチな分野ですが、非常にわかりやすくまとめられているため、同じくニッチな製品を扱っている製造業は参考になるのではないでしょうか。
事例3:ローム株式会社
出典:ローム株式会社
ローム株式会社は、半導体を扱うメーカーです。
英語のホワイトペーパーもあり、海外のお客様もターゲットにしていきたい企業にとっては非常に参考になる内容になっています。また、更新日も書かれているので、情報の鮮度も確認することができます。
事例4:東洋紡株式会社
出典:東洋紡株式会社
東洋紡株式会社は、繊維を主力として、化学、バイオテクノロジー、医薬品などの高機能製品を開発・製造している企業です。
動画を用いたホワイトペーパーも提供しており、他のホワイトペーパーとは差別化されています。新商品を企画する際のヒントとして、自社の基礎技術の活用方法を解説しており、読者の興味を惹きつける内容となっています。
事例5:ブラザー工業株式会社
出典:ブラザー工業株式会社
ブラザー工業株式会社は、ミシンやプリンターなどの製品を販売している企業です。
記事やホワイトペーパーなどのコンテンツマーケティングによって、リード獲得をしており、ホワイトペーパーは社内の資産として商談にも利活用しているとのことです。
事例6:オムロン株式会社
出典:オムロン株式会社
オムロン株式会社は、電気機器メーカーです。
毎月、課題解決のためのホワイトペーパーが発行されており、時代の変化に応じた鮮度の高い内容になっています。2001年から発行されており、豊富なノウハウを読者目線で届け続けているという点で非常に参考になる事例だと思います。
事例7:株式会社村田製作所
出典:株式会社村田製作所
株式会社村田製作所は、電子部品メーカーです。
Webサイトにスマートシティに関する記事ページがあり、興味を持った人は詳細な情報をホワイトペーパーとしてダウンロードできるようになっていますブログやコラム記事と合わせながら、コンテンツマーケティングを行いたい企業は、参考になる事例だと思います。
事例8:株式会社神戸製鋼所
出典:株式会社神戸製鋼所
株式会社神戸製鋼所は、日本の大手鉄鋼メーカーです。
今回紹介するのは、「PVDコーティング」についてのホワイトペーパーです。自社でやるべきか外注すべきか迷っている企業への提案として、流れが綺麗にまとまっています。
事例9:積水マテリアルソリューションズ株式会社
セキスイグループの一つである積水マテリアルソリューションズは、包装資材や梱包機械までを取り扱っている企業です。業種別に導入事例が掲載されており、読者が自分ごととして読めるような工夫がされています。
事例10:トッパン・フォームズ株式会社
トッパン・フォームズ株式会社は、帳票類を主力製品とする日本のメーカーです。導入事例のホワイトペーパーが多く掲載されており、その他セミナーや展示会のレポート、コラムなど種類が豊富です。
事例11:東レACS株式会社
出典:東レACS株式会社
東レACS株式会社は、アパレル向けの3DCADの販売等を行っている企業です。さまざまな顧客の課題を抽出し、3Dがどのように活用できるかをケース別に図解も用いながら解説しています。
事例12:アドビ株式会社
出典:アドビ株式会社
読者がAdobe Acrobatの社内導入をしたい場合に、稟議資料とコスト削減試算ツールをダウンロードすることができます。導入した場合、どれくらいのコスト削減が可能か試算できるため、顧客にとってのメリットが数字で具体的に感じられます。
事例13:株式会社SmartHR
出典:株式会社SmartHR
クラウド人事労務ソフトを開発・販売している株式会社SmartHRは、テクノロジーによる日本の労働のアップデートを目標に掲げています。同社のホワイトペーパーは、SmartHRを導入すると業務がどのように変化するのかを漫画形式で伝える内容です。ストーリー仕立てでメリットがわかりやすくなっています。気軽に読めそうな表紙を採用している点も、リード獲得につながるポイントです。
事例14:日本製紙株式会社
出典:日本製紙株式会社
日本製紙株式会社は、紙・パルプ・紙加工品の製造販売を行っているメーカーです。
日本製紙のホワイトペーパーは、紙の基本データ総括表をPDFで配布しています。これにより、商談の際にすぐに品番が検索でき対応できるといったメリットがあります。また、「紙」にまつわる情報を環境やSDGsの観点からまとめた読み物として面白いホワイトペーパーもあり、材料を扱う企業は事例として参考になります。
事例15:株式会社ミライロ
出典:株式会社ミライロ
株式会社ミライロは、ユニバーサルデザインに関する企画や設計を行っている企業です。
ユニバーサルデザインを取り入れるためのポイントや、「手話用語8選」といったお役立ち資料も配布しています。自社サービスの宣伝だけでなく、企業の理念が伝わるような内容になっています。
事例16:オーム電機株式会社
出典:オーム電機株式会社
オーム電機株式会社は、家電・AV機器等の開発・製造・販売を行っているメーカーです。種類が豊富にある機器について、選定方法を技術的に記載したPDFを掲載しています。品番がいくつかある機器を取り扱っている企業は参考になる事例です。
事例17:Sky株式会社
出典:Sky株式会社
Sky株式会社は、ソフトウェアの設計や開発を行っている企業です。同社のホワイトペーパーは、ダウンロードまでの導線が非常に明確なのが特徴です。導入前・導入中・導入後のお客様としてタブを分けて、お悩み別に最適なホワイトペーパーに素早くたどり着ける仕様になっています。
事例18:株式会社サイトウ製作所
出典:株式会社サイトウ製作所
株式会社サイトウ製作所は、超硬精密切削工具の製造販売を行っているメーカーです。
自社製品・技術を使って、顧客にどんな価値を届けられるかを、実際の加工事例を用いて資料にしています。写真と加工の詳細が載っており、信頼性獲得にもつながるうえ、比較検討中の顧客にとっても非常に役立つ内容です。
事例19:株式会社アライドマテリアル
株式会社アライドマテリアルは、タングステン・モリブデン製品・電子部品・工具などのメーカーです。
登録不要で概要確認でき、気になったものは会員登録してダウンロードするようになっています。製品カテゴリ・産業別・被削材料別・加工方法といったアプローチから検索できるようになっており、欲しい情報がすぐに見つけられる導線設計が非常に参考になります。
事例20:東洋精密工業株式会社
出典:東洋精密工業株式会社
東洋精密工業株式会社は、金属エッチングという金属加工をメインとする加工メーカーです。同社はそれぞれのホワイトペーパーについて、「この資料でわかること」として箇条書きで概要を記載しています。さらに表紙や中身の画像があることで、内容が把握できるのが魅力的です。図解もわかりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
製造業における成功するホワイトペーパーの共通点
具体的な業界者や会社に対する問題解決の提示
製造業のホワイトペーパーでは、読者が直面している具体的な課題を明確に示し、それに対する解決策を提示することが不可欠です。
例えとしてはまず、自動車部品製造業におけるサプライチェーンの複雑化や品質管理の厳格化などの業界固有の課題を特定します。次に、生産管理部長や品質保証マネージャーといった具体的な役職や責任者を想定したペルソナを設定し、その視点から問題を描写します。課題がビジネスに与える影響を、例えば不良品率の1%上昇が年間利益に与える影響額など、数値で定量化することで、問題の重要性を強調します。そして、問題解決のプロセスを段階的に説明し、各ステップでの具体的なアクションを示すとともに、読者の状況に合わせて調整可能な柔軟な解決策を提案します。このように具体的な解決策を提示することが重要です。
データと事例の効果的な活用
ホワイトペーパーの説得力を大幅に向上させるには、信頼性の高いデータと具体的な事例を効果的に活用することが重要です。信頼できる民間調査機関や公の機関のレポートを引用し、業界トレンドや市場予測を示すことで、内容の信頼性を高めます。また、自社で実施した調査結果を紹介し、業界固有の課題や傾向を明らかにすることで、より深い洞察を提供します。
抽象的な表現ではなく、導入後の生産性向上率やコスト削減額などの具体的な数値を示すことで、解決策の効果を明確に伝えます。さらに、類似の課題を抱えていた企業がどのように問題を解決したかを、具体的なプロセスと結果を含めて詳細に紹介することで、読者に実践的なイメージを与えます。これらのデータや事例をグラフや図表を用いて視覚的に分かりやすく表現することで、読者の理解を促進し、提案の説得力を高めます。
専門性や技術性の高い情報提供
高度な専門知識や最新技術トレンドを適切に織り交ぜることも大切です。読者の知識レベルを考慮しつつ、業界固有の専門用語を適切に使用し、必要に応じて簡潔な説明を加えることで、内容の専門性を高めます。例えば、IoT、AI、機械学習などの先端技術が業界にどのような影響を与えるかを解説し、これらの新技術が従来のプロセスや方法論をどのように変革するかを具体的に説明します。
また、業界に影響を与える新しい規制や国際標準化の動向について情報を提供することで、読者に包括的な視点を提供することもできます。さらに、業界の権威や専門家のコメントや分析を引用することで、内容の信頼性と専門性をさらに高めることができます。
読みやすい構成とデザイン
情報量が多くなりがちなホワイトペーパーでも、読みやすさと情報の整理は極めて重要です。まず、導入、問題提起、解決策、結論という明確な流れを作り、全体の構造を分かりやすくします。各セクションには主要なポイントを反映した見出しを使用し、読者が内容を素早く把握できるようにします。キーポイントや手順は箇条書きにして視認性を高め、複雑な情報や過程はインフォグラフィックを用いて視覚的に表現することで、理解を促進します。
ページレイアウトにも十分な注意を払い、余白を適切に設けて1ページあたりの情報量を調整しましょう。さらに、異なるセクションや重要度に応じて色分けを行い、情報の区別を容易にします。これらのデザイン要素を効果的に活用することで、読者は膨大な情報を効率的に吸収し、核心となるメッセージを容易に理解することができます。
行動喚起の明確化
ホワイトペーパーの最終目的は読者の行動を促すことであり、この点を明確に示しましょう。ホワイトペーパーの結論部分では、「詳細はこちら」「デモのお申し込み」など、具体的な次のステップを示す明確なCTA(Call to Action)を設置します。ただし、即座の購入を促すのではなく、「詳細情報の入手」「無料診断の実施」など、段階的な行動を提案することで、読者の心理的抵抗を軽減することもできます。行動を起こすことで得られる生産性向上やコスト削減などの具体的なメリットを明確に示し、読者に行動の価値を理解させます。
また、期間限定オファーや早期対応の重要性を示すことで緊急性を創出し、即座の行動を促します。さらに、資料請求、オンラインデモ、個別相談など、読者の状況に応じて選択できる複数のオプションを提示することで、より多くの読者の行動を引き出すこともできます。これらの要素を適切に組み合わせることで、ホワイトペーパーから具体的なビジネスアクションへとスムーズに読者を導くことが可能となるでしょう。
ホワイトペーパーを成功させるための作り方はこちらの記事で詳細に解説しています。
テクノポートは製造業専門のWebマーケティング支援会社
テクノポートは1,000以上の製造業様のWebマーケティングを支援してきました。マーケティング全体の中で、ホワイトペーパーの戦略を企画します。執筆は製造業に精通したライターが行い、シンプルでわかりやすいデザインでホワイトペーパーを作成していきます。
ホワイトペーパー制作に関するどんな些細なことでもご相談くださいませ。