こんにちは。テクノポートの卜部です。ホワイトペーパーとは、特定の分野における最新情報や問題解決に興味のある見込み客に情報を提供するための文書です。多くの企業がリードの獲得や商談につながる施策として取り入れているので、具体的な効果や活用方法が気になっている方は多いでしょう。
そこで本記事では、BtoB企業でホワイトペーパーが必要とされる理由や戦略を解説します。ぜひこの記事を参考に、ホワイトペーパーの有効性を知り、マーケティング活動に活かしていきましょう。
この記事の目次
BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパーとは
BtoBマーケティングでは、企業のプロジェクトマネージャーや担当者をターゲットにホワイトペーパーを作成します。Webサイトにフォームを設置し、顧客の会社名や連絡先などの情報と引き換えに資料をダウンロードしてもらいます。
ホワイトペーパーの主な目的は、自社の認知拡大と信頼の構築です。まだ商品やサービスに興味を持っていなくても、将来的に成約につながる顧客との接点を作り出すために活用します。
BtoBビジネスは情報収集から成約までの期間が長く、導入の1〜2年前から検討を始めることも珍しくありません。「とりあえず情報収集」というステージの顧客が多いため、ホワイトペーパーによる潜在顧客の獲得が重要視されているのです。
全体のBtoBマーケティング戦略におけるホワイトペーパーの位置付け
Webサイトのページの役割を考えたときに、大まかに①集客のためのページ、②自社の製品やサービスを訴求するためのページ、③コンバージョンを促すページの3つに分けることができます。
この時、ホワイトペーパーは③のコンバージョンを促すためのページに該当し「この資料が欲しいのでフォームに入力しよう」と思ってもらえる内容である必要があります。そのため、ユーザーの視点に立って、ユーザーに役に立つ情報や、求める情報のホワイトペーパーを作る必要があります。
マーケティングファネルに応じたコンテンツの内容
以下はホワイトペーパーのテーマの一例ですが、マーケティングファネルを想定したときに興味層か検討層で内容が大きく変わるため、ターゲットの設定が必要になります。
想定するターゲットに合わせてコンテンツの中身を考えましょう。
上記は各マーケティングファネルごとのテーマ案を作成したものになります。弊社は製造業を中心にコンテンツ制作支援を行っておりますので、「光測定機」という製品を例に取って考えた時、上記のコンテンツテーマを考える事ができます。
このファネルに対応したコンテンツ例を見ると、興味層に対しては「〇〇とは」などの基礎知識や勉強用コンテンツ、検討が深くなるにつれて製品に寄ったコンテンツにしています。
このような考え方で自社のホワイトペーパーのターゲットとコンテンツの方針を決めることができます。
ホワイトペーパーの作り方
ホワイトペーパーの作り方はこちらの記事で解説しています。
上の記事ではBtoB企業がホワイトペーパーを作成するための6つのステップとコツを解説しています。主な内容は、マーケティング戦略の設定、ターゲットとテーマの決定、構成作成、執筆、デザインです。効果的なホワイトペーパーを作るために、プロフェッショナルな語り口や図解の使用、明確なタイトル、数値データの活用、実際の写真の使用を推奨しています。また、情報整理シートのダウンロードリンクも提供していますので、ご覧ください。
ホワイトペーパーとサービス紹介資料の違い
BtoBの営業活動でよく使われているサービス紹介資料は、自社の商品やサービスを起点に作られています。資料請求をきっかけに商談になるケースもありますが、強い購買意欲は持っていない傾向です。
一方でホワイトペーパーは、顧客起点で作成する資料です。役に立つ情報やノウハウを提供することで、課題解決のパートナーとして認識してもらえます。そのため顧客からの信頼を得やすいのです。商談に進んだ顧客とは深い話ができるため、購買につながりやすいというメリットがあります。
BtoBにおけるホワイトペーパーの役割
BtoBマーケティングにおいてホワイトペーパーには非常に重要な役割があります。そこで、具体的な理由を詳しく解説していきます。
リードの獲得
ホワイトペーパーは、特定のジャンルで悩みを抱えている潜在顧客と自社の接点を作るきっかけになります。
今はネットで何でも調べられるので、0から問い合わせをするよりも自ら判断材料を集める顧客が多くなっています。つまり、自社の課題を解決する方法を理解した上で、商品やサービスを比較して候補を絞り込み、商談を申し込んできます。
そのため、情報収集の段階で有益な情報を提供できるホワイトペーパーが必要とされているのです。
リードの育成
ホワイトペーパーからダイレクトに商品購入やサービスへの申し込みが成約することはほとんどありません。その代わり、手に入れた顧客情報をマーケティングに活用します。メルマガやお役立ち情報を定期的に送ることで、長期の関係を築いていくのです。
そうすることで潜在顧客のニーズを醸成し、将来的な顧客を育成していきます。その過程でもホワイトペーパーを紹介して必要な情報を提供し続けていきます。
接点のある顧客への営業
保有している顧客リストにホワイトペーパーを紹介して、ユーザーニーズや検討状況を探ることも可能です。
BtoBビジネスでは検討が長期化するケースが多く、コミュニケーションが途切れてしまうことで、顧客情報が眠ってしまっているケースが多く見受けられます。
そこで、ホワイトペーパーとメールマーケティングを活用して、顧客ニーズの掘り起こしをするのです。相手の状況が分かれば、最適な情報を届けられます。結果として顧客満足度が向上し、商談や成約につながるのです。
商品やサービスの認知
顧客が最初から商品やサービスを探すケースはまれです。なぜなら、自社が抱える問題や解決すべき課題に対して何が必要なのかが分からず困っているからです。
ホワイトペーパーは顧客が求めている情報を提供するために作るものなので、課題を切り口にして、会社概要や商品・サービスを自然に認知してもらえます。
自社のことを知らない顧客にリーチできる分、宣伝できる範囲が広がります。
商談時の資料としての活用
顧客が悩むポイントをまとめているホワイトペーパーは、商談時の資料にも活用できます。どの顧客も共通の悩みを抱えているからです。
また、サービスの説明をしたときの疑問や不安にもすぐに回答できるので、商談をスムーズに進めていけます。
LTV(顧客生涯価値)の向上
ホワイトペーパーは、顧客との最初の接点になることが多く、第一印象を決定づける要因にもなります。クオリティーが高ければ第一印象が良くなり、その後に提供する情報への信頼度が増すのです。
ビジネスは継続性やリピート率が重要です。ホワイトペーパーを作り込むには時間を要しますが、その分の費用対効果は高いでしょう。
BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパーの活用方法
ホワイトペーパーは情報やノウハウをまとめた資料に過ぎません。そこで、有効に活用するための方法を詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
自社メディアにダウンロードフォームを設置する
自社メディアへのダウンロードフォームの設置は、ホワイトペーパーの活用において最もポピュラーなやり方です。自社のホームページやオウンドメディアにダウンロード専用ページを作り、会社名やメールアドレスなどをフォームに記入し送信してもらうことで、ダウンロードを許可します。
自社サイトであれば、常に上に表示されているグローバルメニューから1〜2クリックで表示できるようにダウンロードページを設置しましょう。一方、オウンドメディアの場合はSEO対策が必要です。記事をサーチエンジンで上位表示させることによってユーザーを集客し、自然な形でダウンロードページに誘導する必要があります。
このように、悩みを抱えるユーザーにホワイトペーパーのダウンロードを訴求して顧客リストを集めていきます。
メールにダウンロードリンクを設置する
ホワイトペーパーのダウンロードリンクをメールで直接届ける方法もあります。個人のメールフォルダに届くため、Webサイトの訪問客よりもクリックされやすいのが特長です。
メールの開封状況やホワイトペーパーをダウンロードしたかどうかで相手の興味・関心の強さを把握できます。メールであれば相手のステージに合った情報を届けられるので、顧客育成にも活用できます。
事前に顧客リストを収集しておく必要はありますが、リード獲得から商談までの過程で高い効果が見込めるでしょう。
ただし、メールの件名と内容にギャップがあると、相手を失望させてしまう原因になります。メールの内容に合った形で情報を届けていきましょう。
SNSで潜在顧客に情報を提供する
Webサイトに訪問してもらう方法と比較して、より多くの潜在顧客にリーチできる可能性を秘めているのがSNSです。有益な情報だと認識してもらえれば情報が拡散され、多くの人に自社のホワイトペーパーを認知してもらえます。
無料で利用できる点も大きなポイントです。広告やWebサイト制作と比較すると大幅にコストを抑えられるので、チャレンジするハードルが低い施策です。
ただし、投稿がタイムライン形式であり、常に発信し続ける必要がある点には注意が必要です。社内で運用チームを組み、定期的に投稿していきましょう。
まとめ
BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーは重要な存在です。潜在顧客の獲得につながるだけでなく、既存顧客の育成や眠っている顧客リストのニーズの掘り起こしなど、多方面で活用できるからです。
ただし、ホワイトペーパー単体だけでは有効なマーケティング施策にならない点には注意が必要です。オウンドメディアやSNS・メールと組み合わせて、顧客に情報を届けていきましょう。
なお、他社の成功事例を参考にしたい方には以下の記事がおすすめです。ぜひ参考にしてください。