技術ライティングコラム

SEO記事からホワイトペーパーへ誘導!基礎情報系の記事でCVRを上げる施策

【執筆者紹介】卜部克哉
この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
卜部克哉 が執筆した他の記事をみる

こんにちは。テクノポートでホワイトペーパーの制作を担当している卜部です。BtoBのWebマーケティングにおいて、SEO記事を作成し、検索経由でリードを獲得する企業が増えています。 しかし、SEO記事の中でも「○○とは」「○○のメリット」といった基礎情報系のコンテンツは、サイトへの流入は増加するものの、サービス資料のダウンロードや問い合わせといったコンバージョン(CV)に繋がりづらいという課題を抱えています。

これは、基礎情報系のキーワードで検索するユーザーは、まだ情報収集の段階にあり、サービス導入を具体的に検討しているわけではないことが主な原因です。

そこで今回は、基礎情報系のSEO記事でCVRを向上させる施策として、ホワイトペーパーを活用した方法を解説します。 ホワイトペーパーを効果的に活用することで、ユーザーの学習意欲を満たしつつ、見込み顧客を獲得し、ナーチャリングしていくことが可能になります。


基礎情報系の記事が抱える課題

基礎情報系のSEO記事とは、「○○とは」「○○のメリット」「○○のやり方」といった、特定のテーマに関する基礎知識を解説する記事です。 これらの記事は、検索エンジンのランキングで上位表示されやすく、多くのユーザーをWebサイトに誘導することができます。

しかし、ユーザーの検索意図は情報収集が中心であるため、サービス資料のダウンロードや問い合わせといったCVに繋がりづらいという課題があります。

例えば、「MAツールとは」というキーワードで検索するユーザーは、MAツールの基礎知識を知りたいと考えているのであって、すぐにMAツールを導入したいと考えているわけではありません。 そのため、記事内で「資料請求はこちら」といったCTA(Call To Action)を設置しても、 クリック率は低くなってしまいます。

トップ・オブ・ファネル(TOFU)の特徴

マーケティングファネルの概念で考えると、基礎情報系のキーワードで検索するユーザーは、トップ・オブ・ファネル(TOFU)と呼ばれる段階に位置します。 TOFUのユーザーは、まだ問題を認知したばかりで、具体的な解決策を探している段階ではありません。 この段階のユーザーは、教育的で有益な情報に惹きつけられる傾向があり、売り込み色の強いコンテンツは敬遠されがちです。 そのため、TOFUのユーザーに対しては、いきなりサービス資料のダウンロードや問い合わせを促すのではなく、有益な情報を提供し、興味関心を高めることが重要になります。

サービス資料ダウンロードや問い合わせに繋がりづらい理由

基礎情報系のSEO記事から、サービス資料のダウンロードや問い合わせに繋がりづらいのは、以下の理由が考えられます。

  • ユーザーが情報収集段階にあるため、 具体的なサービス内容に興味がない
  • 問い合わせは、ある程度の検討が進んだユーザーが行うものであり、情報収集段階のユーザーにはハードルが高い
  • サービス資料は、導入を検討しているユーザー向けに作られているため、基礎情報を探しているユーザーには必要性を感じにくい

ホワイトペーパーを活用した解決策

基礎情報系のSEO記事でCVRを向上させるためには、 ホワイトペーパーを活用する方法が有効です。

ホワイトペーパーとは、 特定のテーマに関する専門的な知識や情報をまとめた資料のことです。 サービスの売り込みではなく、 読者に役立つ情報を提供することに重点を置いています。 ホワイトペーパーは、マーケティングにおいて、リード獲得、リードナーチャリング、そして受注という3つのフェーズで活用することができます。

基礎情報系のSEO記事を読んでいるユーザーは、そのテーマについてもっと深く知りたいと考えている可能性が高いです。 そのため、記事内でホワイトペーパーへの導線を設置することで、ユーザーの学習意欲を満たすと同時に、見込み顧客を獲得することができます。

ホワイトペーパーには、「課題解決型」「製品紹介型」「事例紹介型」「レポート型」など、様々な種類があります。 中でも「レポート型」は、調査結果や研究データに基づいた詳細な分析情報を提供するもので、企業やビジネスに対して新たな洞察や視点を提供することができます。ただし、専門用語が多すぎると読者にとって理解が難しくなる可能性があるので、注意が必要です。 

ホワイトペーパーのメリット

ホワイトペーパーを活用するメリットは、以下の点が挙げられます。

  • 知識欲の高いユーザーを獲得できる
    基礎情報系の記事を読んだユーザーは、さらに深い情報を得るためにホワイトペーパーをダウンロードする可能性が高いです。

  • 見込み顧客リスト化
    ホワイトペーパーのダウンロード時に、氏名やメールアドレスなどの情報を取得することができます。これにより、見込み顧客リストを作成し、 ナーチャリングを行うことができます。

  • 自社の専門性・信頼性をアピールできる
    質の高いホワイトペーパーを提供することで、 自社の専門性や信頼性をアピールすることができます。

ホワイトペーパーのコンバージョン率が高い理由

ホワイトペーパーは、 サービス資料よりもコンバージョン率が高い傾向があります。 これは、以下の理由が考えられます。

  • ユーザーが興味・関心を深めるためにダウンロードする
    ホワイトペーパーは、ユーザーが自発的に情報収集を行うためにダウンロードするものです。そのため、サービス資料よりもダウンロードに対する抵抗感が少ないと言えます。

  • 教育コンテンツの延長線上にある
    ホワイトペーパーは、基礎情報系の記事の延長線上にあるコンテンツです。そのため、ユーザーは自然な流れでダウンロードすることができます。ホワイトペーパーは、ユーザーにとって有益な情報源として認識されており、セールス色が薄いことから、抵抗感なくダウンロードすることができます。

SEO記事 × ホワイトペーパー:設計ポイント

SEO記事でホワイトペーパーに誘導する際のポイントは、関連性の高いキーワードでグルーピングすることです。

1記事ごとにホワイトペーパーを作成すると、作成の手間がかかってしまいます。 そこで、テーマが似通ったキーワードをグループ化し、1つのホワイトペーパーに誘導するようにしましょう。

例えば、「○○とは」「○○の導入メリット」「○○の活用方法」「○○の最新動向」といったキーワードでSEO記事を作成する場合、これらの記事を1つのグループとみなし、共通のホワイトペーパーに誘導します。

効果的なホワイトペーパーを作成するためには、まず「課題の設定」「目標の設定」「ターゲットの設定」「コンテンツ企画」といった要素を明確にする必要があります。 それぞれの要素を具体的に設定することで、読者のニーズに合致した質の高いホワイトペーパーを作成することができます。

キーワードのグルーピング方法

キーワードをグルーピングする際には、以下の点を考慮しましょう。

  • 同じ課題感・ニーズを持つキーワードをまとめる
    例:「ロボットアームとは」「ロボットアームの導入コスト」「ロボットアームの事例紹介」 → これらのキーワードで検索するユーザーは、ロボットアーム導入に関心があると考えられます。

  • 検索ボリュームや検索意図の近さを基準にする
    検索ボリュームが大きく、検索意図が近いキーワードをまとめることで、多くのユーザーをホワイトペーパーに誘導することができます。

ホワイトペーパーのコンテンツ例

ホワイトペーパーのコンテンツ例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ○○入門ガイド
  • ○○導入の成功事例集
  • ○○における最新動向とデータ分析
  • ○○導入のチェックリスト
  • 業界マップ
  • セミナーレポート
  • トレンド考察
  • 調査レポート
  • サービス資料
  • テンプレート

ホワイトペーパー導線を設置する際の注意点

ホワイトペーパーへの導線を設置する際には、以下の点に注意しましょう。

  • CTA(ボタンやバナー)のデザイン・配置
    ユーザーの目に止まりやすく、クリックしやすいように、CTAのデザインや配置を工夫しましょう。

  • ダウンロードフォーム
    必要最低限の項目に絞り、ユーザーがフォーム入力しやすいようにしましょう。

  • ホワイトペーパーの質
    質の低いホワイトペーパーは、ユーザーの期待を裏切り、企業の信頼を損なうことになります。丁寧な作り込みが重要です。

製造業キーワードを例にした具体的導入ケース

ここでは、製造業のキーワードを例に、SEO記事とホワイトペーパーを連携させる方法を具体的に解説します。

事例イメージ:ロボットアーム関連

あるロボットアームメーカーでは、SEO記事とホワイトペーパーを連携させることで、Webサイトからのリード獲得数を30%向上させることに成功しました。 具体的な施策としては、ロボットアーム導入を検討している企業の担当者をターゲットに、基礎知識から導入事例、費用対効果までを網羅したホワイトペーパーを作成し、関連性の高いSEO記事にダウンロード用のCTAを設置しました。

SEOキーワード例

  • ロボットアーム とは
  • ロボットアーム 導入 コスト
  • ロボットアーム 事例 製造業
  • ロボットアーム メリット
  • ロボットアーム 選定

記事テーマ例

  • ロボットアームの基礎知識を解説する記事
  • ロボットアーム導入のメリット・デメリットを解説する記事
  • ロボットアーム導入のコストとROIに関する記事
  • ロボットアーム導入の事例・成功事例をまとめた記事
  • ロボットアーム選定のポイントを解説する記事

ホワイトペーパーの作り方

ホワイトペーパータイトル例

  • 製造業におけるロボットアーム導入ガイド:費用対効果・事例・選定ポイント

内容

  • 「ロボットアームとは?」の概要
  • ロボットアーム導入のメリット・デメリット、導入効果
  • 主な導入プロセス&必要コスト
  • 業界別の導入事例、費用対効果の具体数値
  • ロボットアーム選定のポイント
  • よくある課題・導入ポイント

SEO記事からの導線

  • 各記事に統一のCTAを設置
    例:「さらに詳しい導入ガイドを読みたい方は…こちらから無料ダウンロード」

  • ユーザーが複数の記事を渡り歩いても、同じホワイトペーパーの導線にたどり着けるようにする

導線とメルマガ・営業活動の連携

ホワイトペーパーのダウンロードフォームでメールアドレスを取得することで、見込み顧客のリストを作成することができます。

  • フォローアップメール配信
    ホワイトペーパーダウンロード後に、お礼メールや関連情報を配信することで、見込み顧客との接点を維持し、ナーチャリングを行うことができます。 例えば、ダウンロードしたホワイトペーパーに関連する製品情報や導入事例、ウェビナーの案内などをメールで配信することで、見込み顧客の関心をさらに高めることができます。

  • 営業チームとの連携
    営業担当者は、ホワイトペーパーの内容を参考にしながら、見込み顧客への提案を行うことができます。

テクノポートは製造業専門のWebマーケティング支援会社

テクノポートは1,000以上の製造業様のWebマーケティングを支援してきました。マーケティング全体の視点で、ホワイトペーパーの戦略や企画からご提案いたします。執筆は製造業に精通したライターが行い、シンプルでわかりやすいデザインでホワイトペーパーを作成していきます。

ホワイトペーパー制作に関するどんな些細なことでもご相談ください。

この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
卜部克哉 が執筆した他の記事をみる